機上の九龍

The kowloon on an aeroplane

Youtubeのコメント代わりにブログ書いてみるテスト 2

もっかい「動画のコメントしようと思ったら結構な文字数になりそうなので、何文字になるか実際にブログで実験してみた。」をやってみようと思います。

今回の試みもポメラノドンさんの動画です。

www.youtube.com

『兄弟戦争』導入時のアップデートでひっそりとナーフを喰らった《愛される守護者、ニアンビ》を救済するデッキ、と言った方が正しいかもしれません。

 

1) デッキ構成

構成自体はシンプル。EtB効果のあるカード10枚、試作10枚の計18枚(重複2枚)を《愛される守護者、ニアンビ》含め、ブリンク系カード10枚で使いまわしたり強化するデッキです。

《愛される守護者、ニアンビ》のEtB効果を使うには、クリーチャーが死亡する必要があり、それを能動的に行うため黒の《命取りの論争》《悪魔の意図》が採用されています。

 

2) 《ミラー・オヴ・ライフ・トラッピング》

早速disりますが、さすがにこのカードは微妙だと思いますw

こういう面白カードを積極的に採用してる辺りがポメラノドンさんらしくて好感が持てるのですが、だからyoutubeにコメント投稿する文字数的なハードルが上がるんですよ(苦笑)

なぜ微妙かを考察したらかなり長くなったんで後回しにします。

替わりに入れるとするなら、他に有効なブリンク系カードがあんまり無いんでEtB持ちのクリーチャーでしょうか。

《霊気の媒介者》《復活したアーテイ》辺りが候補となると思います。

どうしてもブリンク系カードの枚数を維持したいのなら《金色の大帆船》《ラエゼルの軽業》でしょうか。

 

3) 《愛される守護者、ニアンビ》

このデッキで最も評価されていい点は、《自律型組立工》《鋼の熾天使》がMtGのクリーチャー全体から見てもかなり希少な存在で、《愛される守護者、ニアンビ》との組み合わせは(ナーフ後の《ニアンビ》からすれば)最早必然と言っていいほどの好相性なところです。

ナーフされる以前は 《愛される守護者、ニアンビ》のカード一枚ドローを付与する能力は、いわゆる「インクの染み」(ほとんど使われない/影響しない能力のこと) でした。

これを有効活用するには、《放浪皇》などの「毎ターンクリーチャーを対象に取れるカードを採用する」のがひとつの手です。しかしその場合、「戻すクリーチャー」「対象に取るカード」と《ニアンビ》の3枚コンボでようやく毎ターン1ドローという事になります。これは決して強くないコンボです。

そもそもナーフされる前の《ニアンビ》は3枚コンボで即勝利でした。

恐らくTier1程の強さでは無かったとは思いますが、無限コンボって初見は驚きはあれど、2回目からは喰らっても面白くはありませんからねぇ...

 

ただし、「戻すクリーチャー」が「対象に取るカード」を兼ねていた場合には2枚コンボで済むため、維持できればそれなりに強力となりますし、何より《愛される守護者、ニアンビ》のポテンシャルを最大限発揮する組み合わせとなります。

問題はここからで、EtB効果を持つクリーチャーは山ほどありますが、自身を毎ターン対象に取れるクリーチャー (2枚コンボとなると他のクリーチャーしか対象に取れないカードはNG) はかなり少なく、両方を兼ね備えた「戻してメリットがありつつ自身を毎ターン対象に取れるクリーチャー」というのはほとんどありません。

現アルケミーでその「可能性がある」クリーチャーでも他にはたったこれだけ。

各カードの効果については省略しますが、どれもEtB効果が微妙ですし、自身を毎ターン対象に取るためのハードルも高いです。

ちなみにパイオニアまで範囲を広げてもこのくらいだと思われます。(見落としはあるかもしれません)

正直言って、どれも《愛される守護者、ニアンビ》とでデッキを組みたくなるほどではありません。(そもそも伝説のクリーチャーは《ニアンビ》で戻せません)

調べてはいませんが、それ以外の範囲でもパッと思いつくのは《スパイクの飼育係/Spike Feeder(STH)》くらいで。

EtB効果は細やかですし、自身を対象に取ると言っても実質何も変わらないため、「相手のターンと自分のターンに2マナで1ドローが出来る」くらいなんで微妙と言えば微妙なんですが、カウンター2個取り除けば実質自身をサクれるので、生贄手段を必要としない点はメリットです。

そう考えると、自身をサクれるカードとも相性が良いのですが、

《波止場の料理人》は《命取りの論争》の代わりになりうるとは言えわざわざ戻したいカードでもありませんし、他のカードは色的にも問題があります。マナの問題さえ解決すれば《根導線の融合体》は面白そうなんですけども。

いかにこの組み合わせが希少かが伝わったかと思います。

 

4) コンボ成功率

このデッキの他に良い点は、オリジナルなデッキであることに加えて、コンボ成功率がそれなりにあるところです。

以前紹介されてた『6/3くらい』というデッキ。黒単ベースなんで恐らく勝率そこそこありつつコンボも楽しめる。デッキ名が素晴らしいと良い面もありますが、個人的にはコンボ成功率が低いのが物足りない感じでした。

クリーチャーはともかく、強化カードが《活力減退》4枚だけではさすがに。

物足らなかったんで、トライオームさえ入れてないくらいまだ仮組みの段階ですが、自分でデッキ組みましたよ(苦笑)

+のパワー修正を永久に与えるカードは、他に《メフィットの熱狂》があるのでこれを採用しつつ、パワー修正で一番メリットがありそうなのは《結ばれた者、ハラナとアレイナ》と考えてタッチ緑。他に二段攻撃の《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》や、即ダメージに繋がりやすいトランプルと速攻の両方を持つ《瞬足光線の大隊》を採用。

他の候補としてはパワー上昇をより際立たせる《盤石、ミスター=オルフィオ》や、永久であることを活用しきれてないので《真紅の花嫁、オリヴィア》辺りかなぁと。今のところ《税血の収穫者》《鏡割りの寓話》コンボがちょっと浮いてる感じもします。

 

5) デッキ構成

それはともかく。

『試作ニアンビ』は場に戻してメリットがあるクリーチャー18体と、場に戻すカードが10枚。さらに生け贄手段も2種類5枚とあります。

場に試作機があれば、2マナと《精霊界との接触》でコンボ成立ですし、3マナと《命取りの論争》《ニアンビ》でも成立します。何より、この両方とも相手の除去に対応して打てる点が素晴らしいです。

除去に対応できないものの、試作機と《悪魔の意図》の2枚でも《ニアンビ》を引っ張ってきて即出せるのも見逃せません。

 

コンボが成立し易いという意味では、この次に上がった『ファクトアグロ』も同様で、元々キーカードである《鬼流の金床》を引けなかった時に弱かった金床デッキが《第三の道の偶像破壊者》というアーティファクト・クリーチャーを出すクリーチャーによってデッキの安定度が増しました。

ここまでなら、まぁ私ですらデッキ組んでるくらいなんでよくある話なんですが。

注目すべきは金床デッキの主要パーツである《ヴォルダーレンの美食家》はともかく、《税血の収穫者》すら入ってない点ですね。《第三の道の偶像破壊者》の能力をフル活用したいというポメラノドンさんらしい、思い切ったリストだと思います。

そして、いい味出しているのが《略奪の爆撃》。たまにスパーキーが《ゴブリンの集会》連打から《略奪の爆撃》で大ダメージ喰らわしてくる侮れないカードですが、例えば1/1のアーティファクト・クリーチャーが5体通れば5点。《機械化戦》1枚だと10点、2枚だと15点のダメージですが、《略奪の爆撃》《機械化戦》だと20点のダメージとなります。ポメラノドンさん曰く「スタンと差別化するために入れた」との事ですが、採用は理に叶ってます。

 

でまぁ何が言いたいかというと、「似たような効果のカードが複数あると、コンボの成功率が上がる」ということです。当たり前と言えば当たり前ですし、ユニークなカードだと1種類に限定されることもあるでしょうが、コンボがネタのデッキなら、なるべく複数のカードを使ってコンボ成功率は高めて欲しい気はします。

 

6) 「飾り」

などと言った舌の根も乾かぬうちに正反対の事を言うんですが(苦笑)

後回しにしていた、《ミラー・オヴ・ライフ・トラッピング》について。

《ミラー何とか》は、単体では何もしないパーマネントです。ここでは仮に「単体では何もしないパーマネント」を「飾り」という呼称にしておきます。

インスタントやソーサリーはパーマネントではありませんし、一部の例外を除いて土地は大抵マナを出せます。クリーチャーは一部の例外を除いてアタックやブロックを行えます。必然的に「飾り」はほとんどの場合アーティファクトかエンチャントになります。

「飾り」は単体で何もしないので、何もしないままだとカード1枚とテンポを失ってしまいますし、当然ながら他のカードとのコンボが前提となります。そのため、ざっくり3つに分類できます。

先に出したい「飾り」

後に出したい「飾り」

どっちでもいい「飾り」

アルケミーだと左の2枚が先に出したい「飾り」となります。スタンダードだと《トカシアの歓待》《二重屍》辺りになるでしょうか。EtBやPiG、唱えた時の効果でトリガーするカードは概ねこの括りに入ります。

機体は基本的にクリーチャーと機体が揃ってはじめて効果を発揮できますが、召喚酔いの関係上、一部例外を除いて先に出したい部類でしょう。

アルケミーだと《略奪の爆撃》が後に出したい(先に出しても意味が無い)「飾り」となります。スタンダードだと《シガルダの召喚》《機械化戦》あたり。基本的に全体強化系は後に出したい「飾り」となります。

装備品は機体と同様、基本的にはクリーチャーと装備品が揃ってはじめて効果を発揮できますが、概ね召喚酔いの関係上クリーチャーが先、装備品が後となるでしょう。コストの関係上、装備品が先になることはあるかもしれませんが。

どっちでもいいカードはアルケミーではこの3枚でしょうか。全体強化とEtBやPiG、唱えた時の効果でトリガーする両方を持っているためか、左の2枚はさすがに重くて使い物にならなさそうです(苦笑)

《ザンダーの目覚め》とスタンダードの《ヴェズーヴァの複製術》《貴顕廊一家の隆盛》《土建組一家の隆盛》もこれに当たりますが、どっちでもいいのはクリーチャーとの順番だけで、呪文やサクリファイスでトリガーするよりは先に出す必要があります。

 

「飾り」の分類は色々あるでしょうが、後出し/先出しで分類したのは、これがカードの強さと密接に関係するからです。

 

どっちでもいいカードは後先どっちでもいいので問題ありません。

 

後出ししたいカードも、先出しした場合にしばらく何もしないだけであって、クリーチャー等があれば基本的にそちらを優先することが多い程度です。

問題は先出ししたいカードです。機体は1ターン殴るのが遅れるだけですが、《ミラー何とか》と《舞台座一家のお祭り騒ぎ》は後で出せば出すほどトリガーする回数が減ってしまいます。

《舞台座一家のお祭り騒ぎ》は1マナのクリーチャー呪文を唱えても基本的には何もしませんし、2マナの呪文でも出てくるのは1マナのクリーチャーカードなので効果が薄い場合が多いでしょう。基本的に3マナ設置までは出せるものは出していく感じだと思います。

《ミラー何とか》の場合、相手の盤面との相談にはなりますが、「クリーチャーを先に出して盤面を強化する」か「クリーチャーを後に出してアドバンテージを取りに行く」かの二択を迫られることになります。

ここで盤面強化を強いられた場合には深刻な問題を抱えることとなります。すなわち盤面で後手を取ってるにもかかわらず《ミラー何とか》を出してしまうと、クリーチャーを1体だしてもブロッカーは増えません。しかもそのクリーチャーが《ニアンビ》と相性の良い《自律型組立工》《鋼の熾天使》だと、何もしないままリムーブされてしまいます。

言い換えると、カード2枚使ってブロッカーが1体も出てこない状況に陥ります。盤面不利な状況がますます不利になることでしょう。これは雑にブリンク系に入れるには見逃し難いデメリットです。

すなわち、《ミラー何とか》はブリンク系だからと入れられるような単純なカードではなく、専用デッキが必要となるでしょう。

既にコメントにありますが、相手のクリーチャーを追放した状態で《ミラー何とか》を戦場から離れさせれば、二度とそのクリーチャーは戻ってこないことを悪用する。

他にもカードはあるかもしれませんが、現実的には《テレポーテーション・サークル》とのコンボという事になるでしょう。

もう一つの使い方としては、EtBを2回誘発させることを利用する。

一応《ミラー・オヴ・ライフ・トラッピング》と《ゆすり屋のボス》《救出のチェヴィンガ》各2枚の5枚で無限ループが発生します。このままでは何もしないので、別途勝ち手段が必要となります。まぁ《活力を穢すもの》《悪魔的な客室係》《機知ある怨怒取り》《龍火花の反応炉》等、ループに入れば無限になるカードは何枚かありはします。

現状とても現実的なコンボとは言い難いですが、《ミラー何とか》の2回EtB発動を活かすには無限ループという事になると思います。

 

とは言え、アルケミーオリジナルのカードをなるべく使いたいというポメラノドンさんの心意気には頭が下がります。

これに懲りず アルケミーのカードを積極的に採用して欲しいものです。動画見るまで《ミラー何とか》ってカード知りませんでしたし。

 

7) 結論

5555文字でした。