機上の九龍

The kowloon on an aeroplane

空論 グラスロード 2-(7) 即時建物(1)-評価

既に『グラスロード / Glass Road』の記事はupしたのですが、読み返してみてとても読み辛いと感じたので改めて書いてみます。

空論 グラスロード 2-(1) 概要

空論 グラスロード 2-(2) 1-2ラウンドの戦術

空論 グラスロード 2-(3) 3-4ラウンドの戦術

空論 グラスロード 2-(4) 専門家

空論 グラスロード 2-(5) 加工建物(1)-評価

空論 グラスロード 2-(6) 加工建物(2)-分析

空論 グラスロード 2-(7) 即時建物(1)-評価

空論 グラスロード 2-(8) 即時建物(2)-分析

(ボーナス建物を執筆予定)

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今回は即時建物の個人的評価。

基本的に加工建物は序盤に建設し、ボーナス建物は終盤に建設しますが、即時建物は建設した時に効果が発動することだけが共通していて、効果はバラエティに富んでいるため、一概には言えません。(文章も必然的に長くなりました)

基本的にはコストの安い建物は序盤や《建築士》のダブルアクションをした時に重宝し、コストの高い建物は後半に建設することになります。

即時建物を一切建設せずに勝敗ラインに乗せることも可能ですが、資源をあまり減らさずに得点を稼げる建物が多いので、上手く利用したいところ。

条件付きの効果のため使いづらいものの、その代わりに効果を最大限引き出せれば強い建物がいくつかあるので、評価が低い建物でも条件が合えばそれ以上に使えることは留意して下さい。

※注 あくまで個人的な評価で、数字は目安だとお考えください。例えば《砂貯蔵所》が《砂の島》の2倍使える訳ではありません。

 

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開始時の建設ボードに《粘土の湖》があった場合、ほとんどの場合スタートプレイヤーが建設できる専門家を出して《粘土の湖》を建設することになるでしょう。例外は粘土に余裕がある時か、粘土に変換する加工建物がある時くらいでしょうか。

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何せ《粘土運び人》ダブルアクションを2回プレイしたのとほぼ同じ効果ですから。それだけで1手以上浮く計算になります。中盤から終盤にかけても、粘土に変換する加工建物がなく、粘土が欲しい状態なら最優先で建設すべき建物です。

資源を増やすどの即時建物にも言えることですが、専門家と違って空きスペースというコストを払っていることには留意が必要です。逆に言えば、その分資源効率が良かったり点数が付いてます。

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《大工の作業場》は1個1点のレンガを2個消費するため、見かけ上は「基礎資源7使って基礎資源7を得て点数が増えない」建物です。見かけ上増えてるかどうかは、終盤の得点行動として使う際には注意が必要です。(得られた木材7を消費しても点数は減らないので、実質上は増えているのですが)

木材は1ラウンドを除いてほぼ足らなくなるので単純に使っても悪くはないものの、この建物は「1:2変換の最上流である木材に変換する」逆流効果を持つため、木材を原料としたチェーンを組んだ時に真価を発揮します

空論 グラスロード 2-(6) 加工建物(2)-分析の《Roofing Company》のくだりで説明したように、変換の下流にある資源を上流の資源へと変換する加工建物はありません。資源の無限増殖ができるからです。

《大工の作業場》の効果は建設した一度きりなので無限増殖はできませんが、増殖は可能です。

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何度か貼っている過去のプレイ画像ですが、3ラウンドで

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《木炭窯》《湯治場》《無料食堂》《粘土置き場》《砂採取場》のチェーンが出来上がっていました。変換を連鎖させれば木材3をレンガ2粘土1にすることができます。

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この状態では《大工の作業場》は、建設コストの倍生産した上で2点入る建物に早変わりします。ここまで爆発的な効果が出ることは稀ですが、木材を原料とする加工建物一軒でもそれなりに働いてくれます。他のプレイヤーが効果的に使えるなら、カットすることも考慮に入れるべき建物だと考えます。

 

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「他に建設できる建物がないから」シリーズ第一弾。

プレイヤーが望まないタイミングで建設せざるを得ない時や、資源管理のミスや他のプレイヤーの先取りで予定していた建物が建設できない状況で、仕方なく建設されることが多い建物群です。

コストが0~1で、資源が増えるにも関わらず少なくとも見かけ上の点数は増えるため、空きスペースが確保できた状態で欲しい資源が増える即時建物なら、資源を増やす専門家を使うよりは効率的なことが多いです。

《材木倉庫》は木材の調達に難儀しているプレイヤーが苦し紛れに建設する場合が多く、隣接している空きスペースが必要なので序盤では使いづらい欠点はあります。できれば木材6を得たいところ。《大工の作業場》同様、木材を原料とする加工建物があればより効果的。建設コスト1資源なのにも関わらず何故か1点付いてるのも魅力。

 

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《燃料倉庫》は見かけ上点数が増えないことも、資源が7得られることも《大工の作業場》と共通しています。木炭は建設コストに使いませんし、加工建物の原料としてもあまり使わないため、爆発力では《大工の作業場》に劣ります。

そもそも木炭を生産する建物はそれほど多くないため、単純に木炭を増やす目的で建設する場合が多く、それだけでも十分有用です。もちろん加工建物で変換できればより効果的でしょう。

 

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《貯水槽》は見かけ上点数が増えるものの、得点効率0.25は《燃料倉庫》と同じ。水は必要な時と必要でない時の差が激しいため、《燃料倉庫》ほど安定して使える建物ではありません。

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《粘土坑》をはじめとした水を原料にする加工建物はもとより

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《丸太流し場》《温泉》ともコンボするので、ハマった時にはそれなりに強い建物です。

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「基礎資源7を獲得する」即時建物はどれも有用ですが、《穀物庫》もその例に漏れません。比較的入手しやすい食料を増やし、資源量でみても最大で2しか増えないものの、得点効率0.4は比較的優秀なので、得点目的でも建設されます。

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《レンガ倉庫》も資源量こそ2しか増えませんが、序盤にレンガが必要な場合にはかなり重宝します。見かけ上は4資源で3得点、得点効率0.75と高効率なので、レンガがそのまま点数となるなら最後の得点行動としても優秀です。

 

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「他に建設できる建物がないから」シリーズ第二弾。《材木置き場》の木材4固定は善し悪しですが、建設コストに木材や粘土を消費しないのは利点。珪砂1を消費するので、見かけ上は0.5点しか増えてないことを忘れずに。

 

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「他に建設できる建物がないから」シリーズ第三弾。《砂貯蔵所》を狙って建設することはほぼありませんが、見かけ上は1.5点増えますしノーコストなので《建築士》ダブルアクションできた時には重宝します。

珪砂に変換する加工建物が無く、池も採掘坑も無い状態だと、珪砂を得るには1しか増えない《水運び人》くらいしかないので、狙って建設する状況はあり得ます。

 

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「他に建設できる建物がないから」シリーズ第四弾。《ガラス倉庫》はガラス1が増えるので1点行動のために仕方なく建設されることもあるものの、大抵得たガラスは消費されることになるでしょう。資源が増える専門家のダブルアクションと遜色ない資源を増やしますが、どんな状態からでもガラスの生産が1手で済むのが最大のウリ。ガラスをコストにする建物が早取り競争になった時に、特にありがたみを感じます。

 

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「他に建設できる建物がないから」シリーズ第五弾。《芸術家の集落》は唯一建設コストに食料を要求する建物なため、「他に建設できる建物がない」理由で建設される確率も上がります。《ガラス倉庫》と違い、資源1なのに何故か1点付いているので、ガラスが増えることによって見かけ上は2点増える代わりに《ガラス職人の集落》の効果を失ってしまいます。

《ガラス職人の集落》の「珪砂1につき0.5点」は得点効率が高いのであまり埋めたくありませんが、珪砂に変換する加工建物が無いなら問題となることは少ないです。

 

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《食料品貯蔵庫》は《穀物庫》より増える資源量は1多いですが、どちらのホイールを増やすかの選択肢が無い分、若干使い勝手に劣ります。とは言え両方建設できる状態であっても《食料品貯蔵庫》を優先する場合もあるので、差はそれほど無いとは思います。

 

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《黄土の台地》は『グラスロード』唯一のマイナス建物。そのため、「他に建設できる建物が無い」場合ですら避けられる事もありますが、ノーコストでこの効果は相当強いです。というか0点だと強すぎです。

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効果を最大限使うには十字の形で空白地を5箇所確保しなければならないので、ノーコストなのにも関わらず序盤に使いづらいこと、建設するだけなら点数が減るので、その後に地形を利用する専門家や建物と組み合わせないと意味が無いのは無視できない欠点。他の地形を配置する建物にも言えますが、2枚配置だと物足りないものの、3枚なら十分妥協できます。

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《坑内労働者》《森林官のあばら屋》《造園事務所》で資源を増やすか

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《工場》《堆積作業場》の点数を増やすことになるでしょう。

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他の地形を配置する即時建物にも言えますが、条件が四角形のボーナス建物だと、配置できる地形のうちの一枚しか条件達成に利用できないため、相性はさほど良くありません。

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《小森の邸宅》《貯水塔》《別荘》は地形を配置する即時効果の4点建物という共通点があります。コストが重いため、大抵は3ラウンドから4ラウンドにかけて建設されることになります。そのため、空きスペースの確保はできる事が多いものの、地形を利用する専門家を活かせる機会はそう多くありません。

《黄土の台地》とは違い、建設するだけで点数は増えるので単独でも使えますが、他の建物とのコンボで真価を発揮するのは共通しています。

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《小森の邸宅》は得点効率0.33と若干効率悪いですが、地形を配置する即時建物の中では最も人気します。

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回数には期待できないものの、《森林管理人》の木材生産を増やせるのは分かりやすく強いのが理由でしょう。とは言え、それだけでは効率はイマイチ。

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やはり林をコストにするか、得点になる建物と併用してこそでしょう。見てのとおりガラスを使用するものが多いため、どれだけガラス生産をする体制が整えられるかが鍵となります。

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その上で《ガラス工の工房》を建設できれば言うことなしです。

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《貯水塔》は見かけ上点数は1点しか増えませんが、4点建物では《別荘》と並んで得点効率0.4と《砥石製造所》の0.5に次ぐ高効率。建設コストは木炭,食料,粘土の3種類で揃うため、意外と建設しやすいのはメリットですが、食料以外は池を増やしても生産されない資源なのがネック。

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むしろレンガを生産する体制を整えた後、池を利用する戦術に切り替える際に重宝します。(この画像は4ラウンド開始時。右奥のプレイヤーが1,2ラウンド《池造成者》をプレイしていたので、3ラウンド目に《水門》と《貯水塔》を建設)

池を参照するボーナス建物の数は林や採掘坑と変わりませんが、池を利用する加工建物や即時建物は多いため、何かしら利用したいところ。

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また、建設コストにレンガ3を使用するのは《工場》と並んで最大なので、《硬質レンガ工場》とのシナジーがあります。

 

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《別荘》の得点効率は《貯水塔》並に高く、なによりどの地形を利用する時にも使える融通性がウリ。そのため、他のプレイヤーと狙いが被りやすく、しばしば獲得競争になります。

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地形を2枚しか配置できないのが欠点ですが、《屋敷》《浴場》《工場》のために利用するなら2枚で十分です。

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《私有地》との相性自体は良いですが、《私有地》がそれほど強くないのであまりお勧めしません。

そもそも《別荘》の効果は 「隣接する空きスペースに、池2箇所 / 林2箇所 / 採掘坑2箇所 のいずれかを配置」です。例えば林と池を各一箇所配置するといった事はできないので、肝心な時には使えなかったりもします。

 

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個人的には粘土に変換する加工建物を最優先で取るため《粘土倉庫》を使う機会はあまりありません。

空きスペースが必要なので序盤では使いづらいのは《材木倉庫》同様ですが、粘土を増やす建物なのにも関わらず粘土0では使えないの致命的な欠点。資源4の2点で得点効率0.5と優秀なので、上手く使えば潤滑油として働いてくれるはずです。

 

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建築士の倉庫》は見かけ上は1点下がるため、終盤での得点行動としてはほぼ使われません。

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とは言え資源が3増える上に、最も重要な資源である木材と粘土を1手で取れるのは他に《領主》下アクション、または《事務所》+《領主》上アクションのコンボ以外にありません。単純に資源を増やす目的でも使えますが、レンガが自動生産されて粘土が無くなった場合など、計画が上手くいかなかった時のリカバリとして使うと重宝します。

 

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《森の小屋》は《森のガラス工房》を置き換えます。ガラスは得点効率0.2と最低レベルなので、デメリットはほぼ気になりません。そもそも木材5が喉から手が出るほど欲しい状況では、ゲーム終了時にガラスが余るとも思えませんし。

 

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《船小屋》の3資源2点の得点効率0.67は2点建物の中で最も効率が良く、終盤に資源をあまり減らさず得点を稼ぐのに向いています。効果を上げるには池を配置する手数が必要となるのが微妙で、資源を増やすには向きません。

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例外は《貯水塔》がある場合でしょう。

 

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《材木商》は見た目強そうな建物ですが、基礎資源6で得点効率0.17と《農場》に次いで低く、見かけ上の点数も増えません。

例えば6回変換すれば12資源使って12資源獲得して1点が入る計算になるため、効率よく使うにはなるべく多く変換する必要があります。加工建物の原料となる資源を増やすのも一つの方法でしょう。

ガラスを作ると自動的に木材も1減り、その分《材木商》での変換回数が減ることになるためあまり効果的とは言えません。個人的には初心者が最も引っかかりやすい罠建物だと思ってます。「木材が勿体ないから2回だけ変換します」という宣言を何度聞いたことか...しかもルール的にややこしいんですよね。

BGGの該当スレッドにおいても異論はありますが、

ホイールの回転が最優先

即時建物の配置時の効果がそれに次ぐ

即時建物の効果を実行している間や、ガラスやレンガが自動生産される時には、加工建物の変換は使えない

と個人的には解釈しています。この辺り再版される際に明確にして欲しい点なんですけども。

この解釈に則って《材木商》を使うとなると、例えば木材7の状態で建設すると

建設コストで木材1減るので、変換は最大で6回可能

変換の途中でガラスが自動生産された場合、木材も減るためガラスが増えた個数だけ変換可能回数も自動的に減る

ことになります。

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建設コストを払った後で、《材木商》の変換を使う前に《森林官のあばら屋》などで木材を増やした場合には、最大で7回変換が可能となります。《材木商》の変換途中で木材を増やすことはできません。

効率的に使うには難しい建物ですが、採掘坑+《森林官のあばら屋》のように木材がふんだんにある状況ならば十分使えます。1手で木材以外の基礎資源5種類を獲得できる唯一無二の建物でもありますし、点数に反映されるならガラスを作るのも手でしょう。

 

40

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《組合会館》は《石工組合》を置き換えます。レンガはガラスと珪砂の中間くらいの得点効率0.33で、どちらかと言えば埋めたくないですが、ガラス2を使ってでもレンガ4が欲しい状況で最後にレンガが余るとは思えません。

《組合会館》の得点効率は0.31と悪くないですが、そもそも粘土を加工建物で確保できるなら必要ない建物です。個人的には《ガラス工の工房》を建設した時に1度だけ建設した事があります。

 

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《ワイン醸造所》は基礎資源12で4点、得点効率0.33と良くもなく悪くもなく。4回実行すれば計算上は基礎資源量が減らずに4点増える建物となります。2~3回実行できれば食料は足りるでしょうし、木材も増えるので配置時に地形を取り除く建物の中では最も人気します。

 

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《漁場》は得点効率0.25とあまり効率が良くない上に、見かけ上の点数も増えません。

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似たような効果を持つ《農場》があることもマイナス材料。

とは言え、2回実行できれば資源量ではイーブンですし、3回起動で資源が増えるのは悪くないです。建設コストに木材も粘土も必要ないのが利点で、どちらも無いときにしかたなく建設されることもあります。

 

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《造園事務所》は基礎資源14の3点、得点効率0.21とかなりの低効率。《ワイン醸造所》《漁場》は資源が少なければ4回起動しても食料があふれませんが、《造園事務所》は4回起動すると粘土はほぼあふれますし、珪砂もホイールストッパーになっていなければ8得ても7しか残らないことになります。

そのうえ《粘土倉庫》同様に、粘土を増やす建物なのにも関わらず粘土0では使えないの致命的な欠点。

基本的に使いづらい建物ですが、珪砂がそのまま点数になるなら見かけ上の点数は3~4点増えるため、ほとんどが終盤での得点目的に使うこととなります。

 

35

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木材が得られる建物は基本的に強いのですが、《丸太流し場》は水の資源量を参照するという条件が付けられています。

「隣接する空きスペース」以外を参照する即時建物に共通して言えますが、効果的に使える状況が限られるため、使い勝手は非常に悪いという共通の欠点があります。その分、他のプレイヤーが狙う確率が下がるのはメリットと言えばメリット。

粘土を加工する建物がない状態で、木材が足りないからと《丸太流し場》を建設して木材2程度を得た後、粘土が足りなくなって《坑内労働者》《粘土運び人》を使う、といったケースを何度か見たことがありました。こういう使い方だと手数を節約したことにならず、効果を発揮しきれていません。初心者が引っかかりやすい罠建物その2。

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《材木置き場》より建設コストがかかるので、木材6~7は欲しいところ。すなわち、《丸太流し場》は木材が0~1、水が6~7、粘土3以上という条件が揃ってはじめて効果的という、非常にニッチな建物だと言えます。

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かと言って、《池造成者》を出したり《貯水槽》を建設した後で《丸太流し場》を建設しようと計画しても、計画が狂うリスクがあります。ましてや大量に得た水はゲーム終了時に残っていても、基本的に点数にはなりません。

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ただし、例えば《桶屋》があれば木材を減らしつつ水を増やせるので《丸太流し場》が効果的になる条件に整えるのが容易ですし、例えば《粘土坑》があれば粘土3のコストも比較的軽くなるばかりか、増やした水を粘土として建設コストに使えます。このように「水を生産する加工建物」「水を消費する加工建物」でチェーンが組めていれば、《丸太流し場》は《大工の作業場》に匹敵する効果の強い建物となります。

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《温泉》も基本的に《丸太流し場》と似たような短所と長所があります。得点効率0.33とそこそこあるので得点目的に使える代わりに、木材より重要度の低い木炭を生産するので効果は若干落ちると言っていいでしょう。

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@Meeple 151227 (ブログ内記事)

一番上にも貼った画像ですが、このように《湯治場》で水を増やしながら木炭を一時的に減らせる状況を作りつつ、《温泉》で増やした木炭を水を経由して食料や粘土に変換できれば理想的。《ガラス工の工房》でフィニッシュすれば文句なし。

ちなみにこの時33点取って勝ちました。(裏返したボーナス建物タイルは、林の代わりとして使っています)

 

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《酒場》も条件の厳しい即時建物のうちのひとつです。

そもそも即時建物を建設していなければ何もしませんし、即時建物に隣接している空きスペースも必要とします。その2つの条件がクリアされていても、もう一度使いたい即時効果でないと意味もありません。

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例えば《貯水槽》を建設した直後に《丸太流し場》を建設したものの、今は水が0なので《酒場》で木材が得られない。といったように、即時効果自体が不安定な場合には《酒場》もまた使いづらくなります。

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また、《酒場》で《黄土の台地》などの地形を配置する効果をもう一度使えますが、既に該当する地形が配置されているでしょうから、大抵の場合意味がありません。

 (《酒場》に隣接している空白スペースへ採掘坑を置ける訳ではありません)

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もちろん《黄土の台地》の周りの粘土坑を《造園事務所》のコストとして使っていたり、《森林官のあばら屋》《工務店》があればもう一度使う意味はあります。

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《大工の作業場》《建築士の倉庫》のように、単純に資源が増える即時建物は特段条件もなく、《酒場》とも組み合わせやすいでしょう。

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ちなみに《酒場》は《森の小屋》などのアップグレード建物に隣接して建設すれば、その効果をもう一度使えます。相性自体は良いですが、実際に使うことは稀でしょう。

ソース (BGG, 英語)

 

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《砂の島》の欠点は、「隣接する池ごとに」という厳しい条件

池1つ隣接でも見かけ上点数が2点増えるので、池を配置しなくても使う場合が無くはないです。

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初期配置では池2つに隣接する場所が無いので、資源効果を上げるには《池造成者》《耕作者》などで池を配置する必要があります。「効果を上げるには手数が必要となる」のが最大の欠点です。建設コストが低いにも関わらず序盤ではあまり効果が出ない点もマイナス。

とは言え隣接2箇所が確保できれば、見かけ上点数は3点増えるので、得点行動としては優秀となり得ます。建設コストに木材や粘土を必要としないのも魅力。

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池絡みの専門家や建物をより多く使えれば、池配置に手数が必要なデメリットも軽減されるかもしれません。配置の手数を節約できる《貯水塔》との相性は良いでしょう。

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ちなみに、隣接している池が3つある場合、《浴場》だと6点、見かけ上点数は3点増えますが、《砂の島》だと1点、得られた珪砂が3点になるなら見かけ上点数は4点増えるので、《砂の島》の方が得点が増える場合が多いです。

池が4つの場合でも《浴場》だと見かけ上点数は5点、《砂の島》だと4.5点と差はわずかなので、残り資源で他に建設できる場合には《砂の島》を優先させることもあるでしょう。

 

30

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《黄土の島》は《砂の島》と同じ欠点を持ちます。

さらに《砂の島》とは違って見かけ上の点数も増えないため、得点行動としては使えず、粘土を獲得する手段としてしか使えません。池を増やした場合に粘土を増やす手段は《黄土の島》しかないため、その点では価値があります。個人的には唯一使ったことのない即時建物です。


25

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《彫刻工房》は得点効率0.28とあまり良くない程度ですが、《丸太流し場》《温泉》同様に、他の資源を参照するので使いづらいのが最大の欠点です。

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また、《丸太流し場》《温泉》は加工建物の「木材 → 木炭 → 水 → 食料 / 粘土 → 珪砂」の流れを逆流するため、《桶屋》《湯治場》といった加工建物と組み合わせると資源を大量に増やせるメリットがありますが、《彫刻工房》には逆流すらなく、単純に効果を使うしかありません

さらに、食料供給手段は比較的多いため、《彫刻工房》でなければという場面が少ないです。

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極めつけは同じ得点で建設コストも安く、《彫刻工房》の効果の最大値を常に発動させる、上位互換に近い《穀物庫》の存在があります。

とは言え全く使えない訳でもなく。木材が6~7ある状態では資源量を減らさず得点を稼ぐことはできます。そうなれば専門家で資源を増やすよりも大抵は効率的でしょう。

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使える条件が限られている建物に共通して言えることですが、使い勝手が悪いので「弱い」と言って差し支えないものの、使える条件さえ整っていればそれなりに使えます。実際、何気にこの33点画像でも、このブログで低い評価をしている《温泉》《彫刻工房》はちゃっかり建設されて、役に立っています。