機上の九龍

The kowloon on an aeroplane

空論 グラスロード 2-(4) 専門家

既に『グラスロード / Glass Road』の記事はupしたのですが、読み返してみてとても読み辛いと感じたので改めて書いてみます。

空論 グラスロード 2-(1) 概要

空論 グラスロード 2-(2) 1-2ラウンドの戦術

空論 グラスロード 2-(3) 3-4ラウンドの戦術

空論 グラスロード 2-(4) 専門家

空論 グラスロード 2-(5) 加工建物(1)-評価

空論 グラスロード 2-(6) 加工建物(2)-分析

空論 グラスロード 2-(7) 即時建物(1)-評価

空論 グラスロード 2-(8) 即時建物(2)-分析

(ボーナス建物を執筆予定)

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今回は専門家について。

ソロプレイに関しては1回やったっきりなので触れません。

1) 2人プレイ

2) 3-4人プレイ

3) 専門家個別評価

 

1) 2人プレイ

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(Board Game Geek / Glass Road 20.09.13時点)

個人的に『グラスロード / Glass Road』は3-4人プレイが好きなんですが、BGGの評価を含め、客観的にみれば2人ベストのゲームです。何せ箱裏に「2人でも とても 楽しめます!」と書いてありますし。

そもそも、2人プレイは3-4人プレイとルールが違います。当然ながら戦略も変わってきます。 

例えば自分がスタートプレイヤーで、

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自分が公開した3枚が全てバッティングし、

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相手が公開した2枚が全てバッティングしなければ、アクション数が 3 : 7 となります。アクション数だけで勝負が決まる訳ではありませんが、2人プレイの『グラスロード』においては、自分にとって最善な専門家を選ぶよりも、バッティング回避できそうなカードを自分から公開し、相手が公開しそうなカードをキープしてバッティングすることの方が重要となります。2人プレイでも専門家の強さは概ね変化がありませんが、強いカードほど頻繁に出すとは限りません。相手がどの専門家を出すのか、どの建物を狙っているのかの読み合いが超熱いゲームとなります。 

 

2) 3-4人プレイ

2人プレイだと相手のアクションを潰せば自分の利益になりますが、3-4人プレイだとトップ目以外のアクションを潰しても自分の利益にはあまり結びつきません。

自分から公開する3枚のカードは基本的にバッティングをなるべく避けられそうな専門家を選ぶ点は2人プレイと共通してますが、バッティングする確率は人数が増えるほど上がるため、自分から公開しようと思っていたカードがバッティングで出てしまう確率は上がりますし、ダブルアクションできる確率も下がります。

基本的には出したいカードを5枚選んで、その中で最もバッティングしなさそうなカードを公開していくことになります。結果として、使いやすい (≒強い) 専門家ほど選ぶ確率は高くなります。

ちなみに、バッティングだけ見れば後手番が有利ですが、先に建設アクションが出来る点では先手番が有利となります。

 

3) 専門家個別評価

専門家の評価は3-4人プレイ前提です。

数値はラウンド毎に選ぶ確率で、

1R / 2R / 3R / 4R = 合計値 で表しています

(0-400, 平均132)

あくまで評価は個人的なもので、評価の高い順に書いています。

 

《大工》

80 / 80 / 80 / 95 = 335

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既に 空論 グラスロード 2-(2) 1-2ラウンドの戦術 でも触れましたが、通常は建設できるスペースが無い場合、森をコストにする専門家を出した後に建設できる専門家を出すといったように、2枚の専門家を正しい順番で出さなければなりません。このゲームの難しい点の1つは、必ずしも自分が望む順番で出せるとは限らないところです。

上のアクションが木材1しか得られないので一見弱いように見えるかもしれませんが、3-4人プレイだと建設する専門家はほぼバッティングするため、ほとんど気になりません。むしろバッティングしようがしまいが、《大工》ならこれ1枚で、かつ必ずスペースが空いた状態で建設できることが強みです。

建設の際、《大工》を選ばない状況は主に4つ。

・森が1枚も残っていない場合

・森の数が得点になるボーナス建物を使う場合

・《製材所》など、森をコストにする加工建物がある場合

・他のプレイヤーに《大工》を先に出されそうで、その時建設する建物が無い場合 

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ある程度資源管理が出来るようになれば、《製材所》など、森をコストにする加工建物があっても、4ラウンド目に《大工》を出すために森1つを残しておく場合すらあります。それほど建設アクションは重要です。

 

《納入業者》

30 / 40 / 80 / 100 = 250

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建設できる専門家は基本的に建設アクション目的で選ばれますが、仮に建設できなかった場合、《大工》の木材1はアクションとしては最弱ですし、《耕作者》のアクションは置いた地形が有効活用できなければ無駄アクションとなります。ましてや《建築士》は両方建設アクションなので空振りのリスクは高いです。

《納入業者》最大の特長は建設できる資源が無くても無駄になりにくい点です。他のプレイヤーにもメリットがあるとは言え、《納入業者》を出した段階で資源を選べるので、かなり融通が効きます。

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単純に建設する場合でも、「ダブルアクションできれば《窯》が建設できるけど、シングルアクションでも《金物屋》は建設できる」といったように、状況に応じて建設する建物を変えられる点が優れています。

まだゲームに慣れていない場合には、より《納入業者》の有り難みが実感できると思います。

得られる資源は他のプレイヤーのメリットにならない資源を選ぶよりは、自分が最も必要なものを選んだ方が良いです。木材か粘土となる場合が多いですが、自分が獲得しにくい資源でも良いですし、《窯》を建設した際の木炭など、加工建物の原料を獲得するのも良いでしょう。

 

建築士

20 / 40 / 80 / 95 = 235

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『グラスロード』において、最も強いアクションは建設アクションです。それを2回出来るのですから、建築士》は『グラスロード』最強の専門家と言っていいでしょう...バッティングさえされなければ

《大工》のコスト森1は、むしろ森は邪魔な存在なのでメリットですし、《納入業者》《耕作者》はノーコストで出せます。《建築士》は食料1がコストとして必要な上、両方同じ建設アクションなので選択肢もありません。バッティングされるとこの4人の中では最弱となります。

建築士》の能力を最大限活かすには、

・食料1は常にキープする

・資源不足で1回しか建設アクションできない状況を避ける

・バッティングされない状況で出す

これらが必要です。

「食料1は常にキープする」のは、食料を生み出す加工建物を建設していれば比較的容易です。食料を得られる即時建物を早めに取っておくのも悪くないです。

「資源不足で1回しか建設アクションできない状況を避ける」ためには、ある程度資源を貯めておく...というよりは、コストの比較的安い即時建物を利用して資源を使い切らないようにしたり、《領主》で建物をキープしておいて建設の選択肢を増やすことの方が効果的です。

「バッティングされない状況で出す」ためには

・他のプレイヤーが2回建設アクションする余裕が無い場合

・他のプレイヤーの食料が枯渇している場合

・《建築士》以外の2枚をバッティングで出した上で、他のプレイヤーから《建築士》が出て、バッティングで出せない状況を作る

これらの状況があれば可能ですが、中々難しいでしょう。3つ目は後手番になればなるほど可能性は上がります。

基本的に《建設士》はダブルアクションの確率を上げるために3枚目として出す場合が多いですが、他のプレイヤーの《建設士》ダブルアクションを防ぐために、早めに出す場合もあります。

 

《耕作者》

5 / 40 / 80 / 100 = 225

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念のため書いておきますが、専門家や建物の効果で「/」スラッシュで区切られている場合は、どれかを選ぶことになります

上のアクションは「池」「採掘坑」「林」のいずれか1枚を配置するアクションです。「池」「採掘坑」「林」を1枚ずつ配置するアクションではありません。

ボードゲームに馴染みのないプレイヤー相手にインスト (ルール説明) する場合にはきちんと説明する必要があるでしょう。(経験談)

 

《耕作者》のメリットは《納入業者》同様、専門家を出すコストが不要なことです。

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地形を資源に変換する加工建物 / 即時建物や、地形が得点になるボーナス建物を取る場合、

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地形の数だけ資源が増える専門家を後で出す場合には《納入業者》よりも有効な場合もあるでしょう。

ただし、他のプレイヤーからも《耕作者》が有効な場合が判断できるので、バッティングで建設アクションをしたい場合には狙いやすいですし、狙われやすいです。

 

《領主》

80 / 60 / 40 / 20 = 200

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《領主》最大の特長は他の専門家にない、ユニークな能力を持つことです。

「各山の建物タイル1枚を手元に置く」とは、建設タイルの山から加工建物、即時建物、ボーナス建物を各1枚手元に表向きで置きます。手元に置いたタイルはそのプレイヤーだけが建設可能な建物となります。

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《事務所》《地区事務所》《屋根板製造所》の3枚は、手元に置いた建物をコストとして支払って資源や地形を得ることができます。

上アクションは基本的に資源が増える訳ではないので、一見弱そうに見えます。

ただこのゲーム、いかに計画を立てて実行するかが鍵なので、多少ギャンブルになるとは言え、他のプレイヤーに取られることのない建物をキープできることは想像以上に計画の安定性に寄与します。後半になればなるほど計画と実行の間が短くなるので、それに応じて有効性は下がります。

下アクションも例外 (《事務所》を建てた時の《領主》上アクション) を除けば、木材と粘土を同時に獲得できる唯一のアクションなので悪くはないです。とは言え基本的に1-2ラウンドだと上アクションを選んだ方が有効な場合が多いです。

 

初プレイで1ラウンドから《領主》を出すプレイヤーは、ゲームセンスがある人だと言えると思います。 (残念ながら私はそうではありませんでした)

初プレイで1ラウンドから《領主》を選び、バッティング目的で最後までキープした人はまだ見たことがありません。(バッティングで2枚出したため、3枚目として出した人なら1人いました)

ある程度経験のあるプレイヤー同士なら、1-2ラウンドで自分から出すことはほぼ無いでしょう。大抵は5枚目のカードとして公開され、誰かとバッティングします。

 

《坑内労働者》

80 / 40 / 15 / 10 = 145

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何度も書いていますが、『グラスロード』で粘土は木材と並んで最も必要となる基礎資源です。ほとんどのゲームでは1ラウンドに粘土が必要となる上に、粘土を獲得できる専門家は他に《粘土運び人》《領主》しかいないので、必然的に《坑内労働者》が選ばれる確率は上がります。

コストだけみれば《坑内労働者》はノーコストで《粘土運び人》は水1が必要ですが、どちらもバッティングすれば得られる粘土は2、バッティングしなければ粘土4というのも共通していて、さらに《坑内労働者》ではバッティングしなければ採掘坑1つ置くこともできます。珪砂を得ることも選べるため、基本的には《粘土運び人》よりも強い専門家ですが、それが故にバッティングのリスクも上がります

建設アクションのある専門家と《領主》を除けば最も選ばれる確率の高い専門家なので、バッティングのために仕込むには理想的な専門家ですが、「建設したい建物に足りない資源が粘土」な状況が多発するため、バッティングされるリスクを承知で早めに出さざるを得ない場合が多いでしょう。

粘土を生産する加工建物があれば、《坑内労働者》を選択肢から外し易くなるため、結果として他の専門家でダブルアクションできる可能性が上がります。そういう意味でも粘土を生産する加工建物は重要です。

忘れがちですが、4ラウンドに《坑内労働者》で珪砂の得点を稼ぐことを考慮に入れましょう。採掘坑が4枚以上ある場合には最善手の可能性があります。

 

《粘土運び人》

80 / 40 / 15 / 5 = 140

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水1のコストが掛かるため、基本的には劣化版《坑内労働者》です。それでも個人的に使用率はほぼ変わりません。

《坑内労働者》は珪砂を得たり採掘坑を配置したい場合にも選ばれる可能性があるため、粘土のダブルアクションが欲しい場合にはこちらを選ぶ確率が上がるからです。

《坑内労働者》とは違い、粘土を生産する加工建物があれば《粘土運び人》はお役御免です。ただし2人プレイの場合には、相手のアクションを潰すために選択される場合はあるでしょう。

 

《木こり》

5 / 60 / 40 / 15 = 120

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基本的に木材が大量に欲しい場合には《森林管理人》を、木炭も欲しい場合には《燃料収集人》を選びますが、スペースを確保しつつ木材が欲しい場合に選ばれます。

木材の初期資源が4あり、1ラウンドは「粘土」「木炭」「建設」のアクションができる専門家と《領主》を選んで残り1枚となる場合が多いためあまり選ばれませんが、2-3ラウンドでは高確率で選ばれる専門家です。4ラウンドは「建設」アクションができる専門家4人+1人なので選ばれる確率は下がりますが、それ以外では《領主》に次ぎ、《燃料収集人》と並ぶ高確率です。

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《製材所》《入植用住居》《指物屋》があれば基本的にお役御免で、木材が欲しい場合には《燃料収集人》《森林管理人》を選ぶことになるでしょう。

 

《焼き畑農家》

70 / 15 / 10 / 5 = 100

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基本的に木炭が大量に欲しい場合には《炭焼き》を、木材も木炭も欲しい場合には《燃料収集人》を選びますが、スペースを確保しつつ木炭が欲しい場合に選ばれます。もちろん木炭も食料も欲しい場合に選んでも構わないのですが、ダブルアクション前提で計画を立てると痛い目に逢いがちです。

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木炭を生産する加工建物は4つしかなく、《入居用住宅》1軒では木炭を確保できるとは言い難い建物ですし、《灰汁製造所》も使い勝手が悪いため、どうしても木炭は専門家頼りになりがちです。逆に食料を生産する手段が意外とあるため、基本的には木炭目的で選ぶ専門家でしょう。木炭を生産する加工建物があり、食料が欲しい場合には食料目的で使う場合が無くもないです。

《製材所》《入植用住居》《指物屋》があれば基本的にお役御免なのは《木こり》同様。

 

《森林管理人》

5 / 40 / 15 / 15 = 75

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何度も書いていますが、『グラスロード』で木材は粘土と並んで最も必要となる基礎資源です。1ラウンドは《木こり》同様選ばれる確率は低いですが、2ラウンド以降は資源が得られる専門家としては比較的高いアベレージとなっています。

食料を生産する手段が意外とあるため、基本的には木材目的で選ぶことになります。個人的には《森林管理人》で食料を得たことは2度しかありません。

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《森林管の番小屋》など、林が得点になるボーナスカードを狙う場合には《耕作者》とその座を争うことになりますが、林配置目的だけなら追加で木材1が得られるため、《森林管理人》を選ぶメリットがあります。

《燃料収集人》

20 / 15 / 15 / 15 = 65

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「手札のカード1枚ごとに」木炭1が得られるという、このゲームではユニークなアクションを持つ専門家。この効果を最大限活かすには「1枚目で出す」必要があり、「スタートプレイヤー」ならモアベター。バッティングで下アクションを選んだとしても、コスト水1で木材2と資源が1しか増えないことが「1枚目で出す」「スタートプレイヤー」推奨に拍車を掛けます。

結果としてダブルアクションし易い専門家だと言えますが、スタートプレイヤーが木炭と木材の両方を狙っていそうで、自分が木炭が必要ならバッティング目的で仕込むこともあるでしょう。外れた場合のリスクは高いので推奨はしませんが。

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「水を支払って木炭を増やす」ので、木炭を水に加工する《湯治場》とは相性が良いですが、《寄宿舎》とは若干相性は悪いです。下アクションだけだと効率が悪いので、木炭を産出する加工建物があればお役御免です。

 

《水運び人》

10 / 10 / 10 / 10 = 40

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水を獲得したい場合には基本的に《池造成者》との2択になります。 (《納入業者》でも獲得できますけども) 
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水は基礎資源の中で最も重要度が低い資源です。

専門家のコストとしては《燃料収集人》《粘土運び人》の2人と多めですが、建設資材として使う建物は計4軒。

初期資源が3あるので、仮に《粘土運び人》を一回使い、ガラス2つ作るだけなら初期資源だけで足りることすらあります。逆に水を原料とする加工建物は6あるので、必要な時には大量に必要になることもあります。

《水運び人》最大のメリットは、例外 (《事務所》を建てた時の《領主》上アクション) を除けば唯一3種類の資源を獲得できる専門家であることです。手数の不足しがちなこのゲームにおいて、このメリットは貴重です。

基本的にガラスが欲しい時か、水を原料とする加工建物がある時に候補となるでしょう。

 

《池造成者》

5 / 10 / 10 / 10 = 35

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《池造成者》は正直言って使いにくい専門家です。

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《坑内労働者》《森林管理人》は建設に重要な粘土と木材を獲得できますが、《池造成者》は建設に直接使われることがほとんど無い、水か珪砂を獲得します。

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さらに、上アクションは資源が得られないため、選択肢の無い分《耕作者》上アクションの下位互換となっています。

 

だから《池造成者》は弱い...とは言いません。《池造成者》の能力は《坑内労働者》《森林管理人》と非対称であって、別の視点では優れた点もあります。

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《水運び人》でも書きましたが、水は6軒の加工建物の原料として使われます。これは木材の7軒に次ぐ数です。

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林や採掘坑をコストにする加工建物は各2軒ありますが、池をコストにする建物は3軒あります。

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林や採掘坑の数を参照する即時建物はありませんが、池だけ3軒あります。

(《船小屋》だけ隣接する必要が無い代わりに、1枚あたりの獲得数が違います)

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さらに、池の数を参照する専門家がもう1人います。

このように、《池造成者》は他の建物や専門家とシナジーが組みやすいという強みがあります。単独で使えば間違いなく弱いので、使いにくいという表現が最も適していると考えます。

忘れがちですが、4ラウンドに《池造成者》で珪砂の得点を稼ぐことを考慮に入れましょう。池が4枚以上ある場合には最善手の可能性があります。

 

《炭焼き》

5 / 10 / 10 / 5 = 30

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木炭はどうしても専門家に頼りがちな資源ですが、《焼き畑農家》のように森を除去できる訳でもなく、《燃料収集人》のように木材が得られる訳でもなく、逆に木材がコストとして必要な《炭焼き》は、どうしても優先順位が下がります。

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とは言え、原料が木炭の《窯》《宿屋》《寄宿舎》を活用したい場合には木炭が大量に必要なため、《炭焼き》を優先する場合もあります。他のプレイヤーがこれらの建物を建設していて、木炭が必要な時にはバッティング要員として仕込むのも一つの手ですし、他のプレイヤーが木材の確保に苦労しているならバッティングを回避し易いでしょう。

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《湯治場》だとコストである水の調達が楽になる分《燃料収集人》との相性が良くなるため、《炭焼き》の優先順位は若干下がります。

《養魚家》にも似たようなことが言えますが、ダブルアクションできた場合には ガラス / レンガ どちらかのホイールに木炭6を増やすことも、両方のホイールに木炭3を配分することもできます。


《養魚家》

0 / 0 / 0 / 0 = 0

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表記上は0としてますが、記憶が確かなら2回だけ使ったことがあります。バッティング目的で1回、森も林も無く止むに止まれず使ったのが1回。

 

《養魚家》最大の欠点は、食料を獲得する手段が豊富にある点です。

・加工建物 7軒 (次点は粘土の6軒)

・即時建物 5軒 (最大は木材の7軒)

・専門家 3名 (最大は木材の6名、水が2名、残りは3名)

 『グラスロード』で資源を獲得する手段は大きく分けて3種類ありますが、どの方法でも比較的獲得し易いのが食料です。

 

次に、食料を消費する手段に乏しい点です。

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専門家のコストとして使うのは2名と、《粘土運び人》《燃料収集人》のコストである水と並んで最大ですが

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食料が原料となる加工建物は2軒

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建設資材として使う建物に至っては1軒しかありません。基本的に食料は専門家2-3回分とガラス / レンガ の原料として必要な以外にはほぼ使いません。

 

最後に、《養魚家》自身のコストパフォーマンス

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《養魚家》は地形に影響を与えませんが、《焼き畑農家》は森を除去できますし、《森林管理人》はダブルアクションできれば林を置けるメリットがあります。

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《粘土運び人》は例外として、資源1を消費して別の資源を得る専門家は、シングルアクションで3資源、ダブルアクションで6資源が相場です。

《養魚家》でこの条件を満たすためには、シングルアクションの場合には池3枚、ダブルアクションだと池4枚以上が必要となります。《燃料収集人》も「初手で出す」という条件が付きますが、《水運び人》《炭焼き》にはその条件すらありません。

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もちろん《池造成者》や《貯水塔》で池を増やせれば他の専門家よりコストパフォーマンスは上がりますが、バッティングで狙われ易くなるというリスクも付いて回ります。
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さらに、池を利用して食料を獲得する方向性が《農場》《漁場》と被ります。

結果として、以下の3つの条件が揃ってはじめて《養魚家》を選ばざるを得ない状況が生まれることとなります。

・食料が必要

・食料を獲得する加工建物 / 即時建物 がない

・池が3枚以上ある / 森も林も乏しい

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これは断言できます。《養魚家》は最弱の専門家です。

とは言え『グラスロード』では 弱い専門家 ≒ バッティングされにくい という強みも生まれるので、2人プレイならそれなりに使うこともあるでしょう。3-4人プレイでは、他に選択肢が無いかもう一度考えるべきでしょう。