機上の九龍

The kowloon on an aeroplane

空論 テラフォーミング・マーズ(7)

現時点での『テラフォーミング・マーズ / Terraforming Mars』の見解を纏めておきます。

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今回は独断と偏見の企業評価・拡張企業編。

「その企業が含まれる拡張」+「エリシウムボード」「4人プレイ」を基準にしています。2人プレイは概ね3人プレイと同じ傾向だと考えてください。

一応データを参考にはしていますが、分析する際に独断と偏見が混じっていますので、あんまりアテにはなさらぬよう。

参考サイト

https://ssimeonoff.github.io/

一部カードデータの出力を

https://ssimeonoff.github.io/cards-list

対戦成績 称号・褒章のデータは 

https://ssimeonoff.github.io/stats

から出力しています。

参考スレッド ※ 英語

Terraforming Mars» Forums » StrategyTerraforming Mars» Forums » StrategySubject: What cards best synergize with each Corporation?

参考文献

テラフォーミングマーズ解体新書』(日本ツイクスト協会)

テラフォーミングマーズ徹底解析』(ボードゲームブレイカーズ)

 

空論 テラフォーミング・マーズ(1)

プレイ回数10回程度の所感。

空論 テラフォーミング・マーズ(2)

基本セットのみの企業分析と変換レートについて。

空論 テラフォーミング・マーズ(3)

主に基本ボード、ヘラス&エリシウムボードについて書いています。

空論 テラフォーミング・マーズ(4)

ボード以外の拡張について書いています。

空論 テラフォーミング・マーズ(5)

『プレリュード』『コロニーズ』のFAQ

空論 テラフォーミング・マーズ(6)

基本セット12企業の評価 『コロニーズ』までの拡張対応版です。

基準点:4人プレイの勝率が25%なら50とし、例えば30%なら55、20%なら45といった感じに採点しています。

5人戦:5人プレイの勝率が20%なら50とし、例えば25%なら基準点を加えて55になるような差分を出しています。

3人戦:3人プレイの勝率が33%なら50とし、例えば38%なら基準点を加えて55になるような差分を出しています。

その他のボード、拡張は3~5人戦でどれだけの勝率が上下するかを目処に採点しています。

拡張企業は概ねデータ数が少ないため、精度が低いことを念頭に置いてください。

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1)『ヴィーナス・ネクスト』の企業

 アフロディーテ / APHRODITE】

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基準点:50

5人戦 0

3人戦 0

プレリュード +5

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0  

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(2019.8.28)

データ上では実質4人戦最強の企業です。...絶対嘘だろ(苦笑)

5人戦の勝率8%も割とありえない数字なので、4人戦5人戦の成績は基本的に無視します。

※ 2019.11.6時点で4人戦勝ち数36、勝率39%まで下がってます。この間の勝率は 8/33 ≒ 24.2%なので、概ね平均的な成績に収束していきそうです。

 

ギリシャ神話のアフロディーテが「金星の女神」「豊穣多産の植物神」であることからこの企業能力なんでしょうけど...

「金星評価が上がる毎にMC+2」の能力は割高な金星評価カードが適正に近くなるだけなので、どちらかと言えば「他人が上げてくれたらラッキー」な程度。植物産出1も地味すぎて大抵は8つ貯まる前に焼かれますし、かといって積極的に植物産出を上げるメリットもさしてありません。

何より、2つの能力がディスシナジーではないものの、シナジーを全く形成していません。能力がシナジーを持たないのは【惑星間シネマティックス / INTERPLANETARY CINEMATICS】も同様ですが、序盤に建材を消費して後半は企業効果を使う、といったように使い分けができます。【アフロディーテ】ではその使い分けもできません。

早めに金星評価が上がると案外アドバンテージがあるのですが、基本的にはデメリットがない代わりにメリットもあまりない地味な企業で、「もう片方よりマシ」な理由で選択される事が圧倒的に多いでしょう。

称号・褒章

称号・褒章のデータは19.10.2時点

平均は全ゲームにおける 称号 / 褒章 の取得率を、

企業の欄は該当企業が参加した時の取得率を表します。

例えば「アフロディーテなら【創案主】を35%取得できる」訳ではなく、「アフロディーテが参加したゲームでは【創案主】が35%取得される」

データです。

平均より差がある場合には、該当企業が影響を与えているであろう (その企業がその称号・褒章を取得し易い / し辛い)と推測できると思います。

±5%毎に色分けしています。

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比較的マイナーなタグが2つあることを考慮すれば【分散投資家 / DIVERSIFIER】に一番適正がありそうなんですが、むしろ【戦術家/ TACTITIAN】のほうが伸びる謎。【生態学者 / ECOLOGIST】はタグ1つ分のアドバンテージしかないので、多少取得され易い程度に収まるのは納得。

【金星王】に関しては【セレスティック / CELESTIC】と【明けの明星 / MORNING STAR INC.】の中間くらい。どのみち他の褒章に適正は無いので、さらに適正のある企業がいなければ基本的には取る方向でしょう。

企業戦略

汎用

能力が地味なので、フツーにやらざるを得ません。とは言え、一応金星評価の上がるカードはキャッシュバックがあるため他の企業より価値は上がりますし、【地球政府の介入 / World Government Terraforming】は基本的に金星評価を上げることになるでしょう。

初手に嬉しいカード

特になし

金星評価を上げるカードは「初手に嬉しいカード」とまでは言えません。となると、例えば《スポンサー / SPONSORS》のようにMC産出を上げるカードが素直に嬉しい、という結論になります。

 

セレスティック / CELESTIC】

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基準点:50

5人戦 -5

3人戦 0

プレリュード 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

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(2019.8.28)

個人的にはそこまで強くない企業だと思っているんですが、データを見ると4人戦での成績が異常に良い謎。このゲームにおいて4人戦のみ強くなるようなメカニズムは存在しないんで、4人戦の成績は無視することにします。基本ボードで少人数戦だと多少のアドバンテージがあるようです。

※ 19.11.04時点で4人戦勝率は31%まで下がっています。

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浮遊体アイコンのあるカードは、『ヴィーナス・ネクスト』に14枚、『コロニーズ』に13枚の計27枚。できれば序盤用のカードと終盤用のカードが欲しいところ。

※《空中スポーツ・トーナメント / AEROSPORT TOURNAMENT》《成層圏の鳥 / STRATOSPHERIC BIRDS》も「浮遊体アイコンのあるカード」の対象になります。同様の理由で《空賊 / AIR RAID》も対象となります。

参照スレッド

称号・褒章

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【滞空卿】の取得率が平均の38%から65%へと劇的に伸びます。【滞空卿】取得が大前提だと考えていいでしょう。【ストームクラフト / STORMCRAFT INCORPORATED】が最大のライバルとなります。【金星王 / Venuphile】にもアドバンテージがありますが、【アフロディーテ】や、特に【明けの明星】相手だと分が悪いです。

【偏心王 / Excentric】の取得率はほぼ変わりません (むしろ【金星王】が取得され易くなる分、平均より下がります) 。

浮遊体の受け皿となるカードのうち、【セレスティック】自身と《浮遊ハブ / FLOATING HABS》《層雲遊都(ストラトポリス) / STRATOPOLIS》《木星の灯り / JOVIAN LANTERNS》《木星浮遊ステーション / JUPITER FLOATING STATION》の4枚を除けば、残りの12枚はアクションで浮遊体を消費するため、浮遊体が【偏心王】取得へのアドバンテージとなることは少ないです。

企業戦略

浮遊体 / 汎用

基本的には初手か1アクション目で引いた浮遊体カードで【滞空卿】を取得したら、後は流れで、な企業です。理想としては序盤は《部分遮光 / LOCAL SHADING》《金星飛行船団 / DIRIGIBLES》のような産出カードに浮遊体を貯めつつ【滞空卿】を取り、中盤からは《浮遊ハブ》《木星の灯り》に載せてVPを稼ぐといった感じ。

浮遊体アイコンのカードは序盤用と終盤用の2枚があればこと足りますが、浮遊体の利点の一つは柔軟性なので、他に浮遊体を載せられるカードなら取っておいて損はないでしょう。

惑星【タイタン / TITAN】があればさらに浮遊体を活かせますが、【滞空卿】を奪われやすくもなるので痛し痒し。

初手に嬉しいカード

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エラッタで《金星飛行船団》にカード名変更

【滞空卿】を取れる見込みがないとかなり厳しくなります。企業能力を考えると、1手目のドローもしくは初手に浮遊体の受け皿となる、前提条件のないカードが1枚は欲しいところ。該当するのは以下の11枚。

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例えば《部分遮光》に浮遊体を7つ載せても効果は薄いので、そのうち2~3個は他のカード (大抵は【セレスティック】) に載せることになってしまいます。

「【滞空卿】を取る」「レート的には」「後続の金星タグカードがある」という前提であれば、浮遊体1つにつき3MCの《金星飛行船団》に勝るカードはありません。

【滞空卿】を取るだけなら出した時に浮遊体を載せるカードも有用で、例えば《抽出気球 / EXTRACTOR BALLOONS》なら、これ1枚で出した次のラウンドには浮遊体7つ揃えることができます。

 

【マニュテク / MANUTECH】

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基準点:45

5人戦 0

3人戦 +15

プレリュード 0

コロニーズ -10

基本ボード 0

ヘラスボード 0

データ的にはエリシウムボードの4人戦とヘラスボードの5人戦が特異点です。仕方ないのでこのデータは無視します。

『コロニーズ』時点で単体としては全企業中最強レベルの企業効果を持ちつつ、最低レベルの初期資源という極端な企業。企業能力が産出力に関わるため多人数戦で辛く、初期資源が乏しいことから1手目でコロニー建設が必須になりがちな『コロニーズ』を苦手とする代わりに、3人戦でブン回ると異次元の強さを発揮します。

何といっても『コロニーズ』までのプロジェクトカード313枚中145枚、率にして46.3%のカードが企業効果をトリガーします。この数字は【ヴィトール /ViTOR】の120枚さえも上回ります。とは言え、その内25枚の電力産出のみ増加させるカードは、何かしらの工夫がなければ電力は次のラウンドで発熱に変化してしまうため、メリットは多少目減りします。

称号・褒章

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企業効果を活用するとなるとオートマチックカードに頼りがちなため、理論上は【オートマ王 / Magnate】 の適正はあるはずですが、実際のデータではむしろ平均より下。平均より5%以上取得率の上がる称号・褒章が一つもない唯一の企業となっています。

称号に至っては【分散投資家】【戦術家】で1-2%上昇するのみ。初動の遅さ故に、称号を取り辛いのは間違いなさそうです。

【銀行王】が多少取得され易いのは、企業効果によって他の企業より1ラウンド遅くまでMC産出を上げる価値があるからかもしれません。

企業戦略

産出力特化

プロジェクトカード重視なのにも関わらず初期MCに乏しいため、特に序盤のカードの取捨選択が難しい企業です。いかにスムーズに産出力を上げ、後半にVPへと変換するか。

この動き自体は他の企業でも変わりませんが、後半用のカードをキープすればノッキングを起こしやすく、キープしなければ後半は今引き (= mise そのタイミングで有効なカードを引き当てること) に頼りがちになります。

【マニュテク】最大の魅力は企業効果が実質コスト減少となりうる点で、いくつかの特徴があります。

植物を燃やされるリスクが下がる

電力産出を上げた時の効果は良し悪し

効果がコストと概ね比例する

コストが0以下になっても効果が下がらない

VP+が含まれる場合は効率が下がり、産出量-やVP-が含まれる場合は上がる

  • 植物を燃やされるリスクが下がる

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植物産出カードは追加で植物を獲得できるため、即座に緑地配置がし易くなります。さらに《苔類 / MOSS》《高窒素苔類 / NITROPHILIC MOSS》の2枚はコストとして植物を1または2個用意する必要がありましたが、【マニュテク】ではその必要がありません。(企業効果とカードの効果のどちらを先にしても良いため。参照スレッド )

 

  • 電力産出を上げた時の効果は良し悪し

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電力を消費するカードは基本セットの8枚のみ。《火星鉄道 / MARTIAN RAILS》《開発センター / Development Center》は強カードでしたが、《物理学総合研究所 / PHYSICS COMPLEX》はごくたまに使われる程度。他の5枚は非ソロプレイではほぼ使われなかったため、【マニュテク】が電力産出を上げても『プレリュード』までは大抵1ラウンド後に発熱が増える効果でしかありませんでした。

『コロニーズ』では電力を消費して交易できるようになったため、【マニュテク】特有の「出した瞬間に生産する」効果を電力産出でも活かせるようになりました。特に惑星【月 / LUNA】【冥王星 / PLUTO】が出ていた場合には効果的で、1ラウンド目に電力で交易できれば【マニュテク】の欠点である立ち上がりの遅さを緩和できます。

 

  • 効果がコストと概ね比例する

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通常のコスト減少カードは、《地球オフィス / EARTH OFFICE》の「地球タグのカードコスト -3MC」のように効果が一定なので、カードコストが限界まで下がらなければ、ローコストの方が恩恵を得られます。

例えば、《スポンサー》を出した場合、キープ代込み9MCでMC産出+2の効果を得ます。レート的にはMC+1 = 4.5MCです。《月よりの輸出 / LUNAR EXPORTS》でMC産出+5を選択した場合、キープ代込み22MCでMC産出+5、レートはMC+1 = 4.4MCです。

【テラクター / TERACTOR】または《地球オフィス》を先に出してた場合、レート的には《スポンサー》ではMC+1 = 3MC, 《月よりの輸出》ではMC+1 = 3.8MCとなます。コスト軽減カードは基本的にコストの安いカードがより効果的だと分かります。

【マニュテク】の効果だと《スポンサー》では2MC, 《月よりの輸出》では5MCがキャッシュバックされるため、レート的にはそれぞれ3.5MC, 3.6MCとほぼ変わりません。VPなど他の要素が無ければ概ねコストと産出量は比例するため、【マニュテク】の効果もコストに比例することとなります。

また、キャッシュバックに似た効果のため、コスト減少カードの影響でコストが0付近になっても効果が落ちません。

 

  • VP+が含まれる場合は効率が下がり、産出量-やVP-が含まれる場合は上がる

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例えば《マグネシウム鉱山 / MINE》と《プリンティング・ハウス / HOUSE PRINTING》を比較すれば分かるように、産出力以外のメリット (基本的にはVP) が含まれる場合には、産出力分のコストしか減少効果は発揮されません。そのため、企業効果はそれだけ目減りします。

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逆に産出量-やVP-が付いているカードは効率が上がります。都市カードの場合には都市配置のメリットを反映しないため効果はそれなりですが、特に顕著なのが《重課税 / HEAVY TAXATION》で、キープ代込みでも実質ノーコストでMC産出+2,VP-1のカードになります。 

 

産出力を高めるカードが強いなら、アクションで産出力を増やす《地下核実験施設 / UNDERGROUND DETONATIONS》は最も相性良いように見えますが、【マニュテク】には序盤に先行投資する余裕はないため、逆に相性が悪いです。(そもそもソロプレイ向きのカードです)

同じ先行投資でもドロー強化のアクションカードは、少し余裕の出てくる中盤辺りからはむしろ必須です。産出力が高くなれば手札を捌きやすくなるため、使えるカードは何枚あっても困らなくなります。

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産出力が雪だるま式に増えるまで時間が掛かるので、基本的には長期戦向き。オートマチックカードをひたすら並べるプレイングになりがちです。特にイベントカードはGP上昇系が多く、産出を増やすイベントカードは概ね発熱産出を上げる (最終的にはGPを上げる) ので、相性の悪いカードが多いです。

また、都市タグ及び植物タグとの相性も良いため、意外と地上戦を戦える企業でもあります。企業効果を発揮できる科学タグを持つカードが少ないのがネックになりがちです。

初手に嬉しいカード

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どの企業でも序盤のMC産出カードは重要ですが、【マニュテク】だとさらに顕著です。純粋にMC産出を高める《月よりの輸出》は1枚で《スポンサー》《企業買収 / ACQUIRED COMPANY》を足した効果を得られるため、より効果的です。

 

【明けの明星 / MORNING STAR INC.】

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基準点:55

5人戦 0

3人戦 0

プレリュード -5

コロニーズ -5

基本ボード 0

ヘラスボード 0

金星特化の【インヴェントリックス / INVENTRIX】で、【インヴェントリックス】から  リストラされた 分離独立した事からも分かるように、スペック的には劣化【インヴェントリックス】なんですが、むしろ成績は上という(苦笑)

データが乏しいので信頼性に欠けますが、傾向としては『プレリュード』『コロニーズ』共に苦手としているようです。(データでは-10程度) 金星カードの比率が下がることが悪影響を及ぼすのは間違いないでしょう。

初手で金星カードが3枚以上ある事さえ稀なので、基本的には「もう片方よりマシだから」という理由で選ばれる企業でしょう。

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金星タグカード32枚中、タグ条件のカードが6枚、金星評価条件のカードが11枚あり、条件のないカードが15枚と半数もありません。企業効果で多少緩和されるとは言え、序盤でこれらのカードが使えない場合がままあるのが厄介です。

できれば序盤向きなカードを1~2枚と、得点力の高い《金星動物 / VENUSIAN ANIMALS》《成層圏の鳥 / STRATOSPHERIC BIRDS》か、せめて《金星昆虫 / VENUSIAN INSECTS》《浮遊ハブ / FLOATING HABS》は引きたいところ。

称号・褒章

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【金星王】の取得率が40%から63%へと劇的に伸びます。【金星王】取得が大前提だと考えて良さそうです。この褒章を取れる強みがあるからこそ【インヴェントリックス】より成績が良いのでしょう。

【滞空卿】はかなり差があるとは言え、【セレスティック】【ストームクラフト】に次いで取得し易い企業です。仮に【セレスティック】と被った場合は【滞空卿】を取られ、【金星王】も競り合いになるでしょう。そもそも潰し合ってる時点で他の企業に対して分が悪くなります。そして【セレスティック】同様、【偏心王】の取得率はほぼ変わりません (むしろ【金星王】が取得され易くなる分、若干下がります)

企業戦術

金星メイン

金星タグがメリットとなる《回転都市(ジャイロポリス) / GYROPOLIS》《硫黄の流出 / SULPHUR EXPORTS》に繋げるか、金星の浮遊体カードをやりくりする。どちらかのパターンが回れば理想ですが、中々そういう展開には恵まれません。しかも金星の浮遊体カードと木星の浮遊体カードはそれほどシナジーが得られないのも苦しい。(例えば《層雲遊都(ストラトポリス) / STRATOPOLIS》は金星カードにしか浮遊体を載せられない)

基本的には「【金星王】獲得を目指しつつ、後は流れで」な企業です。

初手に嬉しいカード

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引いた金星カードはとりあえず出す事が多いので、《金星飛行船団》よりは金星カードのコストを下げる《金星中継ステーション / VENUS WAYSTATION》の方が良い働きをしてくれる事が多いです。(【滞空卿】も狙うならまた話は別ですが)

《金星総督 / VENUS GOVERNOR》は地味ですが【明けの明星】なら1ラウンド目から出すのも比較的容易で、コストも安く、金星タグを2つ増やせる優秀カード。《金星中継ステーション》を出していれば手札からはノーコストで出せます。

 

【ヴァイロン / VIRON】

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基準点:45

5人戦 -5

3人戦 0

プレリュード -5

コロニーズ -5

基本ボード 0

ヘラスボード 0

《ウイルス・エンハンサー / VIRAL ENHANCERS》を開発した企業なら、せめて科学タグも付けてくれよと言いたくなります。デメリットこそなく、《AIセントラル / AI CENTRAL》のような超強力なアクションカードを1ラウンドに2回使える夢のある企業ですが、データ的には底辺企業のうちの1つに甘んじています。

個人的には1度も企業能力を起動することなくダンラスになった事があります(苦笑)

コミコミではアクションカード97枚のうち、起動型能力をもつカードは63枚ありますが、それらのカードを出せなければ企業の能力を全く使えないという時点でかなり厳しい企業。さらに、起動に追加コストが掛かるカードは概ねコピーする効率が下がるため、それを除外すると全体の約10%、34枚しかありません。

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このうち、得点源が半数の17枚を占めます。

起動コストが必要な《軌道エレベーター / SPACE ELEVATOR》《電磁カタパルト / ELECTRO CATAPULT》を含めたとしても、タグや最小条件がなく拡大再生産に関連するカードはほんの1部。序盤で有利になる手段に乏しいのも厳しいです。

そして、この企業を弱小たらしめてる最大の要因は、【国連火星動議 / UNMI】【ロビンスン産業 / ROBINSON INDUSTRIES】同様、企業能力がアクション1つのみであることです。企業効果がある程度強くても1ラウンドに最大1回しか発動しないため、複数回起動しうる企業に比べると、どうしても弱くならざるを得ません。

称号・褒章

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生態学者 / ECOLOGIST】は分かるのですが、褒章に関しては割と謎。他の褒章が取りにくいから、一部の褒章に偏るのかもしれません。

本来は浮遊体を含めつつ、より汎用的にアクションカードを運用する企業というデザインなんでしょうが、【滞空卿】がそこまで狙いやすい訳でもなさそうです。

企業戦術

汎用

企業効果が1ラウンドに1回しか使えないため、「他の企業が使うと微妙だけど、この企業なら多少マシになる」程度のアクションカードでは力不足。どの企業が使っても強いカードを、より効果的に使えるようでなければ意味がありません。条件の厳しいアクションカードをダメ元でキープするくらいで、基本的にはどの企業でも共通なプレイングになるでしょう。

初手に嬉しいカード

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2ラウンド毎にチタンへと変換するなら産出量が《ヴェスタ造船 / VESTA SHIPYARD》と同じ、貯める割合が増えると《小惑星採掘 / ASTEROID MINING》に近づくという、2枚のカードのちょうど中間のようなカード。惑星【タイタン / TITAN】を【トリトン / TRITON】のように扱えるのもGood。

【ヴァイロン】が使うと、企業能力が実質チタン産出+2になりますし、出した次のラウンドには【滞空卿】に手が届くため、序盤に出すには結構重いですが、それだけの価値はあります。類似のカードとしては、より汎用性が高い代わりに貯めて効率を上げることができず、【滞空卿】を狙いにくい《大気収集施設 / ATMO COLLECTORS》があります。

《抽出気球》も出した次のラウンドで【滞空卿】に手が届きますが、その後の拡大再生産を考えると《タイタン・シャトル / TITAN SHUTTLES》の方が優秀です。

中盤以降なら《AIセントラル》が効果的で、《火星鉄道 / MARTIAN RAILS》《火星動物園 / MARTIAN ZOO》からMCが大量に湧き出すケースがごく稀にありますが、基本的にはアクションで1点入るカードを使うことが多いでしょう。

プロモーションカード込みなら《自己修復型ロボット / SELF-REPLICATING ROBOTS》との相性もGood。

 

2) 『プレリュード』の企業

 【城星マーズ / Cheung Shing Mars】

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基準点:55

5人戦 -5

3人戦 -5

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード -5

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(19.9.16現在)

4人戦のみ妙に成績の良い謎企業。

基本的にこういうデータが出ると無視するのですが...どの要素を切り取っても3人戦より4人戦の方が勝率が良いんですよね。ホント謎。無視できないので控えめに組み込んでみました。データをそのまま反映させれば基準点60の5人戦-15、3人戦-15という数値になります。

初期MC44とMC産出+3は、ちょうど【クレディコー / credicor】並の初期MCで、初手に【企業買収 / ACQUIRED COMPANY】を積み込んでるようなものですから、弱い訳がありません。ただ、『プレリュード』の企業なのに建物タグのプレリュードを出しても恩恵が無かったりとシナジーに乏しく、能力的には地味。「もう片方よりマシだから」という理由で選ばれる企業ですが、「もう片方にデメリットがあるから」ではなく、「もう片方にメリットがないから」といった風に、中の上くらいの強さだとは思います。

称号・褒章

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さすがに【採掘ギルド / MINING GUILD】【惑星間シネマティクス / INTERPLANETERY CINEMATICS】には敵いませんが、土建企業らしく【建設師】【土建王】に適正があります。【砂漠王】は謎。

企業戦術

汎用

同じ土建企業でも【採掘ギルド】【惑星間シネマティクス】は建材をいかに消費するかが鍵となりますが、建材産出を持っている訳でもないので汎用的にやれます。建物タグカードが必要という訳ではなく、使える建物タグカードならちょっとお得でラッキー、な程度です。

初手に嬉しいカード

特になし

強いて挙げれば序盤に強くて建物タグのある《前哨研究基地 / RESEARCH OUTPOST》《自然保護区 / NATURAL PRESERVE》などのカードはさらに有効だとは言えます。

また、他の企業では初手にあってもプレイするのが遅れがちな《ロボット作業員 / ROBOTIC WORKFORCE》ですが、建物タグさえあればプレリュードでも企業カードでもコピーできるため、【城星マーズ】だとMC産出+3として出すことができます。

 

【ポイント・ルナ / POINT LUNA】

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基準点:50

5人戦 0

3人戦 +10

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

基本的には中堅企業ですが、2-3人戦では強企業。チタン産出+1と、地球タグカードをプレイする度にドローの効果を持つので、長期戦の方が有利なのは間違いないでしょう。

地球タグでトリガーするのは【テラクター / TERACTOR】同様。レート的には同じだとは言え、引いたカードが有効だとは限らないので基本的にカードコスト-3の方が強いのですが、地球タグのカードがコスト3未満の場合 (特に企業自身のタグとプレリュードカード) や、長期戦になった場合にはカードドローの方が有り難みはあります。ただし、惑星【プルート / PLUTO】が出てる場合には企業効果も得られやすい反面、他のプレヤーもドローが強化されるため、出てない方が企業の強みを発揮できる気はします。

称号・褒章

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データ上では【創案主】 に最も適正があります 。企業を出した段階で1ドローが付いてきますし、その後地球タグカードを出しても手札が減らないのは大きいです。

チタン産出とドロー強化があるので【外縁入植者】に多少適正があるのは分かるのですが、他は割と謎。

企業戦術

汎用

元々地球タグカードは発熱を上げる3枚以外はほぼ使われますし (《 月光収束システム / LUNAR BEAM》はともかく) 、チタン産出があるので宇宙タグのカードが多少使いやすくはなっていますが、宇宙タグのカードも使われないカードは少ないため、概ね普通の企業と同じ動きになるでしょう。初期MCが乏しいので、初手に多少カードを絞り込む必要があるくらいです。

初手に嬉しいカード

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企業に産出力とドロー強化が付いているため、長期戦でのネックになり易いのがコスト減少カード。一番相性が良いのは《地球カタパルト / EARTH CATAPULT》でしょう。

 

【ロビンスン産業体 / ROBINSON INDUSTRIES】

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基準点:45

5人戦 -10

3人戦 0

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

2人戦は勝率50%を超えるものの、3-4人戦は期待値より5%低い勝率、5人戦に至っては54戦中2勝とダントツの最下位。そもそも企業能力が1ラウンドに1回しか起動できない点で厳しいんですが (何度も起動出来たらぶっ壊れますけども) 、「最小値の産出量+1」という制約がある上に、終盤ほぼ役に立たない能力なのも厳しいです。

レート的に最もコストパフォーマンスが良くなるのがチタン産出で、次に植物産出なのですが、植物産出は序盤から上げてもあまり効果的ではありません。チタン産出はかなり有効ですが、最小値の制限があるためチタン産出を上げるプレリュードとはディスシナジーとなる点がネック。一旦チタン産出を上げると他のパラメータを上げないと再度チタン産出を上げられず、他のパラメータ (特に植物と発熱) を1つずつ上げるメリットが【万能家】獲得を除いてありません。

それでも『プレリュード』までなら上げた電力産出を即下げることによって企業能力を「毎ラウンド1回《発電所の建設 / Power Plant》を4MCで使える」かのように有効活用できたのですが、『コロニーズ』入りでは電力産出+3の状態を維持する事の方が多いため、「チタン→電力→建材→植物と上げた後は企業能力を使わない」事がよくあります。

結果として、2人戦を除けば底辺企業の一つだと言っていいでしょう。

称号・褒章

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【万能家】取得率が+25%も増え、エリシウムボードの3人戦に限って言えば並の勝率なのも納得です。【万能家】が大前提だと考えていいでしょう。ただし、4-5人戦での成績はエリシウムボードでも他のボード同様に、全く奮いません。

企業戦術

汎用

企業能力を有効活用するには長期戦の方が有利なため、TR上昇系や発熱産出を上げるプロジェクトカードは若干優先順位が下がります。それ以外は汎用的な企業と言っていいでしょう。

初手に嬉しいカード

特になし

企業能力が【万能家】取得用の性能なので、基本的には有効なカードはありません。強いて挙げれば『コロニーズ』無しなら【トールゲート / THORGATE】以上に電力産出を1下げるカードと相性が良かったのですけども。

《大気収集施設》《タイタン浮遊発着場》を出しているか、チタンで交易するほど余裕があって電力産出+3を維持しなくて済むなら『コロニーズ』入りでもそのような運用が可能です。もちろん電力産出-1のカードもそれだけ引ければの話ですが。

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ちなみに、コミコミでは21枚あります。

 

【バレー・トラスト / VALLEY TRUST】

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基準点:50

5人戦 +10

3人戦 +10

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

『プレリュード』企業なのにも関わらず、使用回数は3-4人戦では7位 (上位6企業は全て基本セットの企業) 、5人戦に至っては【タルシス共和国 / THARSIS REPUBLIC】に次ぐ2位と、相当好まれてるのが分かります。好まれてるのは単純に強いからだと思われます。

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この企業最大の特徴は「2,4人戦は期待値通りなのにも関わらず3,5人戦の成績が異常に良い」点です。5人戦は【クレディコー / credicor】に次ぎ、3人戦も比較的上位に位置します。特異点のヘラスボード3人戦は勝率55%と圧倒的です。(ちなみに同条件で最下位の【ヘリオン / helion】【ヴァイロン】は勝率16%)

ここからは想像ですが、5人戦の場合にはTR上昇系または初期資源を増やすプレリュードが有効で、3人戦の場合には生産力を底上げするプレリュードが有効だと考えます。【バレー・トラスト】は追加で3枚中1枚のプレリュードを新たに加えることによって、3人戦5人戦の両方で強みを発揮するのではないかと。

そして、4人戦ではどっちつかずな点が、2人戦では「科学タグのカードコスト-2」の効果が地味なため、より強力な効果を持つ企業には追い越されるのでしょうきっと。というか「科学タグのカードコスト-2」の能力、あまりにも地味なためしょっちゅう忘れられます(苦笑)

称号・褒章

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【創案主】 はカードを引けるプレリュードが何枚かあるので分かるんですが、【銀行王】が9%増えてるのは謎。地味とは言え一応科学タグにメリットがあるため、【科学王】にも適正があります。

企業戦術

汎用

何度も書いて申し訳ないですが「科学タグのカードコスト-2」の効果が地味なため、「人数向きのプレリュードを出したら、後は流れで」な企業です。

初手に嬉しいカード

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「特になし」と言いたくなるところですが、【創案主】が狙いやすくなるくらいに手札が溢れる場合が多いため、コストを下げるカードは比較的有効な場合も多いです。まぁ《地球カタパルト / EARTH CATAPULT》ってこのゲームで1.2を争うほどの強カードなのですが。

 

【ヴィトール / ViTOR】

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基準点:50

5人戦 0

3人戦 +10

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

ずっと「ヴァイター」って読んでたよ...(苦笑)

企業をプレイした段階で3MCが得られるので、実質的な初期MCは48MC。

5人戦エリシウムボードで16戦1勝、金星抜き3人戦が25戦6勝、金星入り3人戦が41戦21勝といった辺りが特異点。コミコミだと【マニュテク】に次ぐ120枚、38.3%のプロジェクトカードが企業効果をトリガーするのが強みです。

基本的には【マニュテク】同様プロジェクトカード重視なので3人戦において最も真価を発揮しますが、VPカードは主に中盤から後半にかけて出すため、序盤の短い4-5人戦も【マニュテク】ほどには苦にしません。

個人的には3人戦で一番使いたい企業です。

称号・褒章

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データ的にはこう出てますが、正直言って謎です (苦笑)

例えばコミコミで【浪費王 / Celebrity】の対象となるカード42枚中、VP付きのカードは28枚 (66.7%) あるので相性自体は悪くないですが、コスト減少カードは低コストの方が効果を発揮するため、そこまで相性が良くならない筈です。強い植物産出カードは大抵VPも付いてるため、【耕作王】に多少適正があるのはまだ分かるのですが。

【総督】【採掘王】に至っては最早意味不明なレベル。

 

企業能力の「ゲームの最初のアクションとして、褒章を無料で1つ取得する」効果は、VPを狙うなら基本的に【採掘王】【オートマ王】【浪費王】だと思っていいでしょう。データ上では【採掘王】【オートマ王】取得率は1位ですし、【浪費王】は【クレディコー】【ヘリオン】【フォボログ】【ポセイドン】【ロビンスン産業】辺りと取得率が変わりませんが優秀ですし、そもそも他の褒章に見込みがありません。

褒章取得を戦略的に活用する…例えば、《金星動物》を早目に出すため【金星王】を取得する、という手もあるかもしれませんが、そうそう上手く行きそうな気はしません。

企業戦術

プロジェクトカード重視

+VP付きのプロジェクトカードをプレイしてナンボなので、いかにカードを多くプレイできるエンジンを整えるか... MC産出やチタン・建材産出を上げ、ドロー強化カードを使い、コスト減少カードを揃える。他の企業でも基本は同じですが、【ヴィトール】ではそれがより顕著です。

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特に動物タグ、木星タグとの相性は抜群で、科学タグ、植物タグがそれに次ぎます。

【マニュテク】同様長期戦向きな企業で、かつVP付きのカードが少ないためイベントカードはドロー強化以外は相性が悪いです。

とは言え、相性が特に良くないからと言ってVPの無いカードを疎かにしてはいけません。長期戦向きの企業なのにも関わらず産出量にアドバンテージが無いため、序盤に産出力 (特にMCやチタン産出) を上げられないと負けパターン。1ラウンド目から《警備艦隊 / SECURITY FLEET》起動なんて以ての外です! 他に産出力を上げるカードが無ければ、GP上昇系のカードでお茶を濁すのもやむを得ないでしょう。

少人数で産出量が増え、ドロー強化カードを引ければコスト減少カードも引くでしょうから (全く引かないこともありますが) 、ほぼ勝ちパターンになります。ブン回った時の爆発力は全企業中1,2を争います。

初手に嬉しいカード

特になし

イベントカード軽視な傾向はありますが、基本的には他の企業とやることは一緒で、企業能力が活きるのは中盤以降。序盤でもVP付きの産出カードがディスカウントされるメリットは享受できますけども。

 

3) 『コロニーズ』の企業

【アリドール / ARIDOR】

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基準点:50

5人戦 0

3人戦 +10

ヴィーナス 0

プレリュード 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

基本ボード3人戦11%、5人戦37%、ヘラスボード4人戦53%って辺りが特異点ですが、概ね4-5人戦では平均的、2-3人戦では強企業となります。序盤にMC産出が劇的に増える場合があるため、長期戦向きなのは間違いないでしょう。

称号・褒章

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企業能力からして【分散投資家】【専門家】に適正があるのは当然ですが、どちらの称号も取得率自体が高いため競争に巻き込まれがちです。【専門家】はともかく、【分散投資家】は拡大再生産の延長上に称号があるので、取得できなくても損をしないのが強み。

【滞空卿】が比較的取得されているのは、金星 / 木星 タグを活かす延長線上にあるからなんでしょうか。

企業戦術

分散投資

新しいタグを出す毎にMC産出+1が得られるため、基本的にはどのマップでも【分散投資家】を狙うような動きになるでしょう。手薄になりがちなのは動物、植物、微生物、都市タグなので、序盤から出せるそれらのプレリュードやプロジェクトカードは他の企業に比べて有用になります。

とは言え、得られる効果がレート的には5MCなので、新タグだからといってあまり効果的ではない高コストのカードを出すのも考えもの。基本的には他の企業があまり使わない《クマムシ / TARDIGRADES》のような、安いものの効果も低いカードを序盤から使いやすくなる、くらいの認識で良さそうです。

ただし、ワイルドタグは【アリドール】のMC産出+1の効果をトリガーしません。ワイルドタグは場に出した後、何かしらのアクションをするまではタグ無しカードとして振る舞うためです。参照スレッド

 

「ゲームの最初のアクションとして、惑星を一つ加える」効果をどう使うかですが。

基本的にMC産出は伸びる企業なので、【月 / LUNA】を引っ張ってくるのは他のプレイヤーの方がメリットを受けがちです。初手に有効な微生物カード (もちろん《クマムシ》では力不足) があれば【エンケラドゥス / ENCELADUS】を、浮遊体カードがあれば【タイタン / TITAN】を引っ張ってくる、といったように他のプレイヤーのメリットになりにくい惑星を引っ張ってくるのがベストでしょう。

それ以外で、自分の利益のみを考慮すれば【冥王星 / PLUTO】は強力です。基本的にドロー強化は産出量 (特にMC) が最も多いプレイヤーに恩恵があるので、引っ張ってくる価値があります。ただ、他のプレイヤーにも相当恩恵が出ますし、自分がドロー強化のアクションカードを持っている場合には若干有り難みが薄れます。他のプレイヤーが【ポセイドン / POSEIDON】を使っている時など、自分でも使えない評価の低い惑星をあえて引っ張ってくることもあるでしょう。

また、4-5人プレイだと手番によって誰がコロニー建設するかで利益に差が出ます。自分の上家が最も有力な企業やプレイヤーだと、【月】を引っ張ってくるのがベストな選択なこともあり得ます。

結局のところ「状況に応じて」としか言えそうにありません。

初手に嬉しいカード

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元々ぶっ壊れてる (効果が強力な) カードですが、手札やプレリュードでタグが被ってなければMC産出+3、レート換算で15MC相当の効果が加わります。他にもタグが被ってさえいなければ《太陽風力発電 / SOLAR WIND POWER》《重水素の輸出 / DEUTERIUM EXPORT》といったカードは有効ですし、基本的に後半に出す《生態系の研究 /  ECOLOGY RESEARCH》をMC産出目的で序盤に出すこともあるでしょう。

【アークライト / ARKLIGHT】

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基準点:50

5人戦 0

3人戦 0

ヴィーナス 0

プレリュード 0

基本ボード 0

ヘラスボード -5

2人戦は勝率42%で下位にいますが、それ以外は概ね平均的。

企業効果が【城星マーズ】以上に地味なので当然の結果でしょう。「もう片方よりもマシだから」グループの1つです。【ミランダ】が出ている場合には多少評価は上がります。

称号・褒章

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分散投資家】【生態学者】【偏心王】は当然ながら適正はあるでしょう。【滞空卿】は割と謎。

企業戦術

汎用

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他の企業ではあまり使わない、これらの低コスト植物 / 動物 カードを使うメリットが多少生まれる程度で、基本的には他の企業と同じ行動になるでしょう。

初手に嬉しいカード

特になし

植物 / 動物 カードで序盤に拡大再生産に寄与するカードは無いため、特にありません。相性の良いカードとしては真っ先に《ウイルス・エンハンサー》が挙げられますが、元々強カードですし。ちなみにスレでは《保護生育域 / PROTECTED HABITATS》が挙げられてますが、必ずしも《捕食獣 / PREDATORS》等を出される訳でもなく、植物産出が増えるとも限らないので初手で嬉しいかと言われると...

 

ポリュペモス / POLYPHEMOS】

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基準点:50

5人戦 +5

3人戦 -5

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード -10

企業効果の「カードの購入コストは、最初の手札をふくめ、3MCではなく5MC」は、《発明ギルド / INVENTORS' GUILD》《ビジネス・ネットワーク / BUSINESS NETWORK》の効果を含みます。《AIセントラル》のような「カードを引く」効果には影響しません。

最初からMC産出+5を持ってますが、毎ラウンドキープする枚数が3枚以上になると企業としてはデメリットになります。必然的にプロジェクトカードのプレイ枚数を参照する称号・褒章が多いヘラスボードを特に苦手としていて、2-3人戦も不向き。短期決戦の5人戦がベストな企業のうちの一つです。データ上は基本ボードの5人戦のみ適正があります。

冥王星】にコロニーを建設できる、あるいは購入以外のドロー強化できるアクションカードが初手にあれば、カード購入する価値が相対的に下がるため、多少評価は上がります。

また、カードをキープするのがデメリットになるという事は、逆にヘイトドラフト (Hate Draft = ドラフト時、他人の利益になりそうなカードをピックして購入しないこと) がしやすくなるメリットにもなるので、ドラフトを採用していても多少評価は上がります。

https://ssimeonoff.github.io/stats のデータは66%程度がドラフトルールで行われているため、非ドラフトだと基準点が若干下がると見ていいでしょう。(5%未満の範囲でしょうけども)

プロジェクトカード重視派なので、個人的には最も使いたくない企業。というか使った事ないです(苦笑)

称号・褒章

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5チタンあるので【外縁入植者】に適正があるのは分かるのですが、【分散投資家】が【アークライト】【アリドール】並に取得されているのは謎。ホント謎。

【滞空卿】はカード1~2枚で取得しうる称号なのがその理由でしょうし、【耕作王】はカードに頼らなくても取りうる褒章だから取得されているのでしょう。

企業戦術

GP上昇

長期戦になればなるほどプレイしたカード枚数がモノを言うので、基本的には短期決戦向き。軽いカードを連打すると企業効果が重くのしかかるので、TR上昇効果 (金星除く) のある重いイベントカードを毎ラウンド1枚出す、くらいが理想です。

初手に嬉しいカード

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スレでは《地球カタパルト》がベストマッチとされていますが、恐らく企業効果をコスト-2で相殺しようという考えなのでしょう。

ただ、拡張コミコミで4枚しかない、全てのカードに対応したコスト減少カードですから、それを初期MC産出+5とで相殺するのも旨味に欠ける気がします。

個人的にはカードにあまり頼らずに早期決着を図りうる《標準テクノロジー》がベストだと思います。それが楽しいかどうかはともかく。

 

【ポセイドン / POSEIDON

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基準点:65

5人戦 -10

3人戦 0

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード -10

評価は一応こんな感じで付けましたが、一番不利になりそうな5人戦ヘラスボードは逆に勝率27%。他に3人戦ヘラスボード33%、4人戦基本ボード52%といった所が特異点

2人戦では勝率50%ですが、3人戦1位、4-5人戦でも上位にランクイン。その強さはかつての【タルシス共和国】を彷彿とさせます。コロニーズ時点では最強の企業と言って過言ではないでしょう。

何と言っても強さの源泉は「このカードを含め、コロニーが建設されたらMC産出量+1」という強烈な企業効果。【タルシス共和国】の企業効果も強烈でしたが、現在は都市の価値が下がったため価値は大分下がりました。【ポセイドン】が強いのは、【月】があれば1ラウンド目に3箇所埋まる事が多く、【トリトン】【冥王星】なら2~3ラウンド辺りに埋まったりと、序盤に企業効果が連続してトリガーする点です。

その上、45MCスタートなものの、コロニー建設1つは無料なので実質+17MC。さらに最初のアクションでほぼ確実にコロニーが建設されるため、1ラウンド目にMC産出+1以上は保証されています。

結果として、レート的には初期資源は67MC相当。これは【惑星シネマティクス】に次ぎ、 しかも使い辛い建材として持っている訳でもなく、企業効果も強烈なのですから、弱い訳がありません。

とは言え、その強烈な企業効果もコロニーあってこそ。2人戦,5人戦ならコロニーの価値は下がりますし、

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3人戦で【ケレス / CERES】【イオ / IO】【カリスト / CALLISTO】【エウロパ / EUROPA】【ガニメデ / GANYMEDE】が出たなら序盤のコロニー建設はあまり期待できないでしょう。

企業効果を忘れがち。さすがにコロニーが建設された時にMC産出+1される効果はたまに忘れる程度ですが、【サターン・システムズ】同様に企業を出した段階でMC産出+1されます。

BGGに該当スレッドが無いのでソースは出せませんが、「このカードを含め、コロニーが建設されたらMC産出量+1」とあるので、【ポセイドン】もコロニーの1つとしてカウントします。つまり《宇宙港コロニー / SPACE PORT COLONY》《量子通信 / QUANTUM COMMUNICATIONS》《分子プリンティング / MOLECULAR PRINTING》《生態系の研究》は【ポセイドン】を含めた数を参照しますし、【ポセイドン】では基本的に《先駆者の開拓地 / PIONEER SETTLEMENT》をプレイできません。

(最初のアクションとしてコロニー建設した段階で、既にコロニーが2基となるため。例外として、プレリュードの《風変わりなスポンサー / ECCENTRIC SPONSOR》《生態系のエキスパート / ECOLOGY EXPERTS》経由ならプレイできます)

※追記

打消し線部分は誤りでした。

【ポセイドン】自身はコロニーとしてカウントせず、「【ポセイドン】の最初のアクションとしてコロニーを建設する時を含め、コロニーが建設されたらMC産出+1」が正しいルールです。

参照スレッド

(『テラフォ』デザイナー自身のコメントではありませんが、このデザイナーは正しいルーリングにThumbs upするので、確定ソースと言えます)

 

称号・褒章

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MC産出が勝手に増えるので【専門家】に適正があります。【滞空卿】が比較的多いのは、他の称号よりはマシだからという理由でしょう。【浪費王】が取得され易いのも納得。

企業戦術

汎用

初手に無料でコロニーが建ち、序盤にMC産出が勝手にバンバン増える以外はフツーの企業です。ええフツーですとも。

有効なカードを引かなかった場合には、単純にコロニー建設するのもひとつの手。地味で敬遠されがちな【エウロパ】でさえ、コロニー建設だけで1TR+MC産出+1なので、レート的には15MC相当。配置ボーナスがあればそれだけで元が取れます。

初手に嬉しいカード

特になし

スレでは《宇宙港コロニー / SPACE PORT COLONY》《巨大宇宙鏡 / GIANT SPACE MIRROR》の2枚が挙げられてますが、常に必要だって訳でもないですしねぇ...どちらもコロニーを利用するなら欲しいカードではありますが。

 

【ストームクラフト / STORMCRAFT INCORPORATED】

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基準点:50

5人戦 0

3人戦 0

ヴィーナス 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

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(19.11.7)

2人戦ではダントツの1位、4人戦でも中の上なのにも関わらず、5人戦では平均的、3人戦では最下位という意味不明な成績。使用頻度はどの人数でも最低ランクなので、単純にデータ不足だと思われます。特にデメリットも無いので「他の企業よりマシだから」グループの1つです。

【ストームクラフト】上の浮遊体は【偏心王】にカウントされますが、浮遊体1つにつき発熱2としてカウントする効果は、発熱8を使って気温上昇する際にのみ使用できるので、【温熱王】にはカウントできません。参照スレッド

称号・褒章

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データ上では【滞空卿】の取得率が【セレスティック】より高く、全企業・全称号褒章 で取得増加率が最も高くなっています。【滞空卿】取得が大前提だと考えていいでしょう。

【外縁入植者】はタグ1つ分のアドバンテージがあります。【宇宙王】が比較的高いのは、他に向いてる褒章がないことと、木星ボーナスを期待するなら宇宙タグ重視になるからかもしれません。

企業戦術

汎用

企業能力が地味なので、フツーにやるだけです。

初手に嬉しいカード

特になし

スレでは《大気収集施設》《タイタン浮遊発着場》となっていますが、別に電力産出+3で良くね...?という気はします。企業能力を発熱産出+2のように扱うだけでは弱い、という事には同意しますが。