機上の九龍

The kowloon on an aeroplane

空論 テラフォーミング・マーズ(6)

現時点での『テラフォーミング・マーズ / Terraforming Mars』の見解を纏めておきます。

※19.10.23 称号・褒章のデータを追加しました。

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今回は独断と偏見の企業評価・基本セット企業編。

「基本セット」+「エリシウムボード」「4人プレイ」を基準にしています。2人プレイは概ね3人プレイと同じ傾向だと考えてください。

一応データを参考にはしていますが、分析する際に独断と偏見が混じっていますので、あんまりアテにはなさらぬよう。

 参考サイト

https://ssimeonoff.github.io/

一部カードデータの出力を

https://ssimeonoff.github.io/cards-list

対戦成績のデータは 

https://ssimeonoff.github.io/stats 

から出力しています。

参考スレッド ※ 英語

Terraforming Mars» Forums » StrategyTerraforming Mars» Forums » StrategySubject: What cards best synergize with each Corporation?

参考文献

テラフォーミングマーズ解体新書』(日本ツイクスト協会)

テラフォーミングマーズ徹底解析』(ボードゲームブレイカーズ)

 

空論 テラフォーミング・マーズ(1)

プレイ回数10回程度の所感。

空論 テラフォーミング・マーズ(2)

基本セットのみの企業分析と変換レートについて。

空論 テラフォーミング・マーズ(3)

主に基本ボード、ヘラス&エリシウムボードについて書いています。

空論 テラフォーミング・マーズ(4)

ボード以外の拡張について書いています。

空論 テラフォーミング・マーズ(5)

『プレリュード』『コロニーズ』のFAQ

空論 テラフォーミング・マーズ(7) new!

拡張15企業の評価 『コロニーズ』までの拡張対応版です。

基準点:4人プレイの勝率が25%なら50とし、例えば30%なら55、20%なら45といった感じに採点しています。

5人戦:5人プレイの勝率が20%なら50とし、例えば25%なら基準点を加えて55になるような差分を出しています。

3人戦:3人プレイの勝率が33%なら50とし、例えば38%なら基準点を加えて55になるような差分を出しています。

その他のボード、拡張は3~5人戦でどれだけの勝率が上下するかを目処に採点しています。

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【クレディコー / credicor】

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基準点:50

5人戦 +10

3人戦 0

ヴィーナス 0

プレリュード 0

コロニーズ 0

基本ボード +5

ヘラスボード -5

比較的何でもやれる企業ですが、標準プロジェクトでの地上戦とコストの重い隕石系が得意なので、早期決着する5人戦に最も適正があります。ヘラスボードは地上戦の称号・褒章が少なく、カード枚数を参照する称号・褒章が多いためか、若干苦手とします。

どうでもいい事ですが、大富豪バルド・ハンターって Bard (吟遊詩人) Hunter (猟師) なんで、都市と森を暗示してるんですかね?企業マークもギターっぽいですし。

称号・褒章

称号・褒章のデータは19.10.2時点

平均は全ゲームにおける 称号 / 褒章 の取得率を、

企業の欄は該当企業が参加した時の取得率を表します。

例えば「クレディコーなら【緑化匠】を66%取得できる」訳ではなく、「クレディコーが参加したゲームでは【緑化匠】が66%取得される」データです。

平均との差がある場合には、該当企業が影響を与えているであろう (その企業がその称号・褒章を取得し易い / し辛い) と推測できますが、数字は単なる目安だと考えてください。

±5%毎に色分けしています。

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企業効果と過不足なく重なるため【浪費王 / Celebrity】に最適な企業の筈ですが、思ったほどには伸びません。地上戦もやれる企業ですが、褒章を取るよりは称号を取るために1~2手を《標準プロジェクト》で補う、という使われ方をしてるように見えます。

企業戦略

汎用 / 地上戦

木星タグ21枚中13枚が20MC以上なので木星戦略に意外と適正があります。チタン産出を上げるのは比較的有効で、逆に建材産出やコスト減少カードは旨味が薄いです (都市カード除く) 。科学タグも企業効果をほとんど活かせません。(その割には【科学王 / Scientist】の取得率は高いです)

とは言え初期MCが豊富なので、カード次第ではどの戦略も採れます。逆に、ロクな得点カードを引かなくてもMC産出さえ増えていれば地上戦を挑めるのは強み。

初手に嬉しいカード

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1ラウンド目からはあまり出しませんが。

使い方も簡単。中盤までに出して地上戦でVPを稼ぎ、早く終わらせたければ一部を気温や海洋に回すだけ。電力産出を上げるのも《宇宙鏡 / SPACE MIRRORS》より1MC重い起動コストで済みつつ1ラウンドに何度も使える優れもの。ただ、3回標準プロジェクトを発動してようやく元が取れるので、それ以上行う目処が無ければ弱いです。基本的には多人数戦向きだと思います。

コストの重いカードは純粋に生産力が上がったりVPのみ獲得出来るカードがないため(木星タグカード除く)、序盤は生産力も上がるカードが、後半は木星ボーナスカードかTR上昇系で重いカードが相性良いです。企業効果を後押しするという意味では《スピンオフ部門 / SPIN-OFF DEPARTMENT》が特に少人数戦で効果的かもしれません。

 

【エコライン / ecoline】

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基準点:55

5人戦 0

3人戦 +5

ヴィーナス +5

プレリュード 0

コロニーズ -10

基本ボード 0

ヘラスボード -10

何かと災難が降りかかる企業ですが、緑地特化なだけあって森林が雪だるま式に増えていくと手に負えません。妨害カードを受ける確率の高まる多人数戦では弱い...と理論上はなるんですが、データではそこまで苦にしない不思議。

地上戦不利なヘラスボードは苦手で、初期MCに乏しいため1ラウンド目にコロニー建設が必要となりがちなコロニーズも苦手としています。ヴィーナスでは特に有効な植物生産カードはありませんが、妨害される確率が減るためか、若干有利にはなるようです。

いわゆる殴り合いのゲームが苦手な人はこの企業をなるべく避けた方が賢明でしょう。このゲーム自体を嫌いになりかねません。

称号・褒章

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主に地上戦の称号・褒章にアドバンテージがあります。【緑化匠】は基本セットだと後手を踏みがちでしたが、拡張が増えれば増えるほど地上戦の重要度が下がったためか、かなり狙いやすくなったようです。理論上は【砂漠王 / Desert Settler】【絶景王 / Estate Dealer】 共に適正がありますが、データ上はさほど変化はありません。謎。

ちなみに【滞空卿 / HOVERLORD】の取得率は全企業中最低、【金星王 / Venuphile】も【トールゲート / THORGATE】に次ぐ低さです。

企業戦略

地上戦特化

正直地上戦はあまり詳しくないのですが、毎ラウンド緑地を置ける体制をいかに整えられるかが重要だと思われます。加えて、いかに少ないMCで都市を効果的に配置し、盤面からMCや植物をどれだけ拾えるか。戦術的センスが最も問われる企業だと言えそうです。緑地を配置できる目処があるなら【地球政府の介入 / World Government Terraforming】では緑地配置予定付近に海洋配置し、気温が条件の植物産出カードがあるなら気温を上げるのが基本ですが、オイシイ場所を作って他のプレイヤーに取られる場合もあるので、そのあたりは駆け引きです。

初手に嬉しいカード

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受動的なので効果はイマイチ体感しにくいですが、緑地配置を計算し易くなりますし、何よりストレスが溜まらないステキカード (強いとは言ってない) 。植物産出を下げるカードの影響は受けることに注意。アクション等で酸素濃度を上げるカードは基本的にディスシナジーとなり、植物産出カードのほとんどが気温条件なので、気温上昇させるカードも比較的相性良いです。ただ、他の企業にも言えることですが初手に欲しいのは概ねMC産出を上げるカードで、【エコライン】なら都市&電力産出の組み合わせがより有効ではあります。

 

【ヘリオン / helion】

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基準点:40

5人戦 0

3人戦 +5

ヴィーナス -5

プレリュード -5

コロニーズ -5

基本ボード +5

ヘラスボード -5

個人的には以前からこの企業弱くね?という疑問を抱いてたんですが、データ上は驚愕の弱さです。

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(2019.7.28時点)

特に4-5人戦の成績は低すぎてデータの信憑性を疑うレベル。(まぁ信頼性のあるデータだとは決して言えませんが) 使用率は妙に高いので、他の企業に比べると精度は出ているハズなんですけども。

以前から指摘されている事ですが、発熱をMCに変換する効果は、電気が発熱に変換されるのと同様、レート的には損な取引です。(MC産出+1 = 5MC 発熱産出+1 = 6MC 電力産出+1 = 7MC) 

発熱は8溜まってようやく気温上昇に使えますし、発熱よりMCとして使う方が拡大再生産に繋がり易いので、序盤に《スポンサー / SPONSORS》を出すのに使うなんて時には重宝します。余熱をMCとして使えるので、発熱産出を気兼ねなく上げられる事にも繋がります。惑星【イオ / IO】を【月 / LUNA】のように使えるのも悪くないです。

ただ、そもそもこのゲームでは発熱産出を上げる行為自体が弱いんですよね。発熱を強化するのではなく、発熱の弱点を多少改善するだけでは力不足だったようです。得点行動に移行しはじめる中盤からはMC経由で得点化するより気温上昇に使った方が大抵効率が良いので、企業効果をほぼ使わないのもマイナス材料。

底辺企業かどうかは議論の余地はありますが、決して強い企業ではないのは間違いなさそうです。

称号・褒章

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【温熱王 / Thermalist】は競り合いになったりすると余熱をMCに変換できる企業効果を台無しにしてしまうので、構造的にはディスシナジー。【電送師】は余った電力をMCに替えることが出来るため狙われているのかもしれませんが、個人的に悪手だと思います。【専門家 / SPECIALIST】が意外と取得されているのは《ソレッタ / SORETTA》1枚で条件を満たすからなのでしょうか。

【支援王 / Benefactor】は発熱産出を伸ばしてTRを上げるなら理に適っていると考えます。

企業戦略

発熱産出

普通の企業ならあまり使うこともない発熱産出カードを使うこともあるよ、くらいの感覚の方が良さそうです。少なくとも序盤ならMC産出カードの方が効率が良いのでそちらを優先するでしょう。気温上昇させるイベントカードは基本的にディスシナジーですが、あまり気温が上がらないと他のプレイヤーが発熱産出を上げるメリットが生まれるため、程々に使った方が良いのかもしれません。

初手に嬉しいカード

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イラストに【テラクター / TERACTOR】のマークがあるように、数ある発熱産出カードの中で他の企業が使う事もある数少ないカード。配置ボーナスで3MC分回収できれば、発熱全部をMCに突っ込んでもレート的には釣り合います。発熱産出+8には1足りませんが、序盤は特に端数をMCに回しがちなのであまり気にしないが吉。

 

【惑星間シネマティックス / INTERPLANETARY CINEMATICS】

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基準点:50

5人戦 +10

3人戦 0

ヴィーナス 0

プレリュード 0

コロニーズ -5

基本ボード 0

ヘラスボード 0

勝率だけみれば概ねこのような評価になります。

じゃぁ中程度の企業かと言われると話は別で、そもそも【IC】の使用率はかなり少ないんですよね。基本セットの企業としては【国連火星動議 / UNMI】と並ぶレベル。

恐らく初手に建物タグのカードが少なければ選ばれない傾向にあるんでしょう。好んで選ぶ状況になる事は少なく、選ばれる状況になれば中程度に戦える企業だとは言えるでしょう。基準点から-10くらいが実際の強さとみています。

5人戦で強いのは全企業中最多の初期資源に加えて、多人数戦ではTR上昇カードが比較的有効だからかもしれません。

『コロニーズ』入りだと1ラウンド目にコロニー建設する事を考えると、かなり制約があるのが難点。17MCさえ残せれば、建材で1ラウンド目から動けるだけまだマシなんですけども。データだと『コロニーズ』入りでも5人戦だけは逆に勝率上がってるんですよねぇ。謎。

称号・褒章

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理論上は建物タグが2つある【採掘ギルド / MINING GUILD】より【建設師 / BUILDER】の適正は高いですが、そこまで建物タグに固執する必要が無いためか、実際には【採掘ギルド】の方が取得率は高いと出てます。

【伝説 / LEGEND】にはあまり適正が無いと見てますが、データを見る限りは結構狙っている人が多いようです。軽いドロー強化カードや《契約労働者 / INDENTURED WORKERS》《投資ローン / INVESTMENT LOAN》などは有効なものの、イベントカードでは建材を消費できないという致命的な欠陥があります。イベントカードの平均コストは11.9MCで、キャッシュバックがあるとは言えこれを初期MC30の企業が賄うのは中々厳しいのではないでしょうか。もちろん引きに恵まれれば別ですが。

企業戦略

建物タグ / 汎用

基本的には「初期建材を使い切ったら、後は流れで」な企業なので、初期建材でどの生産力を上げたかで戦略は変わってきます。強いて挙げるなら中盤からの空宙戦で、チタン生産を上げたり宇宙タグのコストが下げるのは有効です。

特に《メディア・グループ / MEDIA GROUP》でキャッシュバックが増えると世界が変わります。イベントカードをガンガン打ってもMCやチタンがほとんど減らないどころかたまに増える状況になると、「ずっと俺のターン!」とまでは行かないものの、自分の手番が手札のある限り、長く続くことになります。

これの最たるものが、『テラフォーミングマーズ 徹底解析』(ボードゲームブレイカーズ) の「第17章 火星をソロプレイ2世代で開拓する方法」で、『ヴィーナス』入りのソロプレイに

「任意のカードをドローできる」

「開始時の都市と森は配置しない」

この2つのルールを足すだけで、わずか2世代で開拓完了する手順とその考察が書かれています。【IC】のポテンシャルを余すことなく発揮しているという意味でも、素晴らしい記事だと個人的には思います。

ちなみにどのカードをプレイしたかは『テラフォーミングマーズ 徹底解析』のHPから、「火星をソロプレイ2世代で開拓する方法 プレイレシピ」をクリックすると、公開されたpdfを閲覧することができます。

初手に嬉しいカード

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序盤は特にMCかチタン・建材産出を上げたいところですが、建物タグでこれらの生産力を上げるカードは電力産出を要求するカードが多いのが難点。以前は初手に嬉しいカードとして《最先端合金 / ADVANCED ALLOYS》を挙げましたが、拡張コミコミだと建物タグの比率が下がったため、建材が余る場面が多いように思います。

そこで《軌道エレベーター / SPACE ELEVATOR

出したラウンドで1回起動できるので、実質コストはキープ代込みで27MC。まだ建材6つ余りますが起動コストに充てれば済みます。チタン+1とMC+3相当の産出が上がり、なおかつ2VP付いてるのでレート的には35MC相当。何よりコレ1枚で初期建材20を産出力へと変換できるのが素晴らしい。

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問題は《軌道エレベーター》以外で産出力を上げる建物タグカードは地味なカードが多く、電力産出と関わりがないのはこの17枚。序盤から使えるものの電力産出を必要とするカードが都市含め20枚あるので、基本的には電力産出カードも欲しいところ。1ラウンド目に《商業特区 / COMMERCIAL DISTRICT》を【南極 / SOUTH POLE】や【オリンポス山 / OLYMPUS MONS】に配置するのも選択肢としてはアリ。

《メディア・グループ》も有用なカードですが、《最適化された空力ブレーキ / OPTIMAL AEROBRAKING》は拡張コミコミだとイベント+宇宙タグカードの比率がだいぶ下がったため、あまり有用だとは言えません。

 

【インヴェントリックス / INVENTRIX】

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基準点:40

5人戦 +5

3人戦 -10

ヴィーナス 0

プレリュード +10

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

今でも3人戦に関しては底辺企業のうちの1つですが、4人戦なら平均的、5人戦なら中の上くらいの立ち位置にいます。

プロジェクトカードが弱い場合にダメ元で採用されうる企業ですから、実際の強さより勝率が悪く出る傾向にはありそうです。

最大条件のカードを早く出せる効果はデフレ場になる早期決着の方が効果的ですし、最小条件のカードもGP上昇が急な早期決着の方が効果的 (そもそも展開が緩やかなら企業効果関係なしに出し易くなります) 。企業自身に産出力もありませんし、多人数戦の方が有利なのは間違いないでしょう。

『ヴィーナス』でラウンド数が伸びる事自体はこの企業にとってマイナスですが、科学タグ条件のカードが6枚あることと、金星パラメータも企業効果の恩恵を受けるためか、差し引きマイナスにはならないようです。

データ的に最も変動が大きいのが『プレリュード』で、『プレリュード』なし5人戦のデータが少ないとは言え、かなり成績が改善しています。(というか『プレリュード』なしの成績が酷い)

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上部:『プレリュード』なし

下部:『プレリュード』あり

(2019.8.27時点)

『プレリュード』によってラウンド数が短くなる影響は確実にあるでしょうけど、それ以外の理由は正直分かりません。

称号・褒章

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【戦術家】はGP条件なら企業効果がダイレクトに効きますし、タグ条件の半数は科学タグ条件なので企業タグも活きますが、思ったほどに取得率は伸びません。そもそも【戦術家】自体取得されにくいというのはあるでしょうけども。

最も伸びるのは【創案主】で、企業能力が金星評価にも影響を与えるにも関わらず【滞空卿】【金星王】共に最低レベルの取得率でしかありません。

企業戦略

プロジェクトカード重視

使用条件のあるカードが無駄になりにくい企業特性を活かすとなると、必然的にプロジェクトカード重視となります。そのためドロー強化は他の企業に比べてより重要となり、タグ条件のカードも打てる状況を作るのが望ましいです。GP条件は酸素が15段階、気温が20段階あるのに比べ、海洋は10段階 (0枚~9枚) しかないため、海洋条件のカードが特に狙い目です。

初手に嬉しいカード

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科学タグ3条件を一発でクリアしてくれるステキカード。しかもドロー2枚+1VP付き。《RESEARCH》という無味乾燥な英語名を《研究に次ぐ研究》としたのは名訳だと個人的には思います。

《研研》同様産出力が上がる訳ではありませんが、受けの広さを考慮すれば、《共同研究 / RESEARCH COORDINATION》に勝るカードはありません。これらのカードを出したことによってタグ条件のある産出カードを早く出せれば理想。

 

【採掘ギルド / MINING GUILD】

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基準点:45

5人戦 -5

3人戦 +5

ヴィーナス -5

プレリュード -5

コロニーズ -5

基本ボード 0

ヘラスボード 0

 「3人戦では強企業」も今や昔。特に『コロニーズ』入りの4-5人戦の成績は底辺企業の座を争うほどに。

拡張には建物タグカードが各3枚しかなく、建物タグカードの割合が32.2%から24.3%へと大幅に減少したことに加え、特殊タイルが1枚も追加されなかった事が原因でしょう。さらに『コロニーズ』では1ラウンド目に標準プロジェクトからコロニー建設が必須な場合が多く、プレリュードの《寄付 / DONATION》《融資 / LOAN》無しではかなり厳しいです。また、惑星【ケレス / CERES】が出ていれば他の企業でも建材の確保には困らないため、増々使うメリットが出ません。

称号・褒章

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各マップに【採掘ギルド】用の褒章があるのが唯一の救い。8MCの段階で取ることを心がけましょう。ここで5VP取れなければどうせ勝てません。

企業戦略

タイル配置 / 建物タグ

いくら弱くなったとはいえ、特化企業ですからある程度はやらざるを得ません。【IC】とは違って、中盤からもある程度建材を使うアテを作っておく必要があります。その為には電力産出カードが必要になりがちですが、その為には科学タグが必要になる場合が往々にしてある、といった所が中々難しいです。一番の理想形は序盤に建物タグを並べた後の《医療研究所 / MEDICAL LAB》でしょう。

初手に嬉しいカード

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他にも《自然保護区 / NATURAL PRESERVE》《核実験場 / NUCLEAR ZONE》といった、比較的低コストで配置ボーナスを得られるカードは依然有用ですし、特殊タイルの割合が減ったため《洪水 / FLOODING》のように海洋配置するカードにも目を向けるべきでしょう。《鉱山採掘権 / MINING RIGHTS》はチタン配置ボーナスが得られる場所に置いて受けを広く取るのが基本。企業価値が下がっているため1ラウンド目に標準プロジェクトの《帯水層の開放 / Aquifer》を使うくらいなら他の企業を選んだ方が無難です。

 

【フォボログ / PHOBOLOG】

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基準点:45

5人戦 +5

3人戦 0

ヴィーナス +5

プレリュード +5

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

初期MCに乏しいので、さぞかし『コロニーズ』では厳しいのかと思いきや、データ的には使用率含めあまり変化はありません。謎。個人的にはコロニー建設できるプロジェクトカードか、プレリュードの《寄付》《融資》が無ければ選ぶ気にならないんですけど...3人プレイならまだ2ラウンド目にコロニー建設できるくらいのモラトリアムはあるんですが。

理由の一つとして、恐らく『コロニーズ』49枚中19枚が宇宙タグで、一部を除いて強力だというのは挙げられるのでしょう。

強力な宇宙タグのカードとチタン産出カードが是非とも欲しく、隕石などのTR上昇が有効な多人数戦に有利なのは昔から変わらず。

称号・褒章

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コミコミだとイベントカード53枚中27枚が宇宙タグも持ち、宇宙タグのないイベントカード26枚の平均コストは6以下なので【IC】同様【伝説】に最も近い企業だとは言えそうです。とは言え、【フォボログ】なら狙うべき称号とまではいきませんが。

20MC以上の非イベントカード42枚のうち、宇宙タグを持つものは25枚あるので【浪費王】に導かれ易い傾向にはあります。

宇宙タグさえあればコストの重い木星カードも比較的ラクに出せるので【外縁入植者】に適正がありますし、企業効果を活用しようとすれば必然的に【宇宙王】が視野に入るでしょう。

ヘラスボードでは金星王の取得率が上がるのにも関わらず、エリシウムボードでは逆に下るのは結構ユニーク。理由は分かりません。

企業戦略

空宙戦

初期チタンを速攻使い切って中盤からは地上戦で勝った、という場合が皆無だとは言いませんが、基本的には強力な宇宙タグカードを連打するのが勝利への近道です。チタン産出が増えなかったり、増えてもチタンが余るようでは負けパターン。

ただ、宇宙タグのコストを下げるカードのうち、《宇宙ステーション / SPACE STATION》は有効ですが、宇宙タグと科学タグの両方を持つ非イベントカードは4枚しかないため、科学タグ条件の3枚とはあまり噛み合いません。科学タグカードも集まるのが理想ですが、チタン産出を上げつつコストの重いカードを打つ事が多いでしょう。

初手に嬉しいカード

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【フォボログ】でネックとなるコロニー建設をしつつ、【フォボログ】で必須のチタン産出も上がるナイスカード。もちろん《イオ採掘産業 / IO MINING INDUSTRIES》《地球エレベーター / EARTH ELEVATOR》といったカードも有効です。

 

【サターン・システムズ / SATURN SYSTEMS】

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基準点:55

5人戦 0

3人戦 0

ヴィーナス 0

プレリュード 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

一応基準点をこう設定しておきますが、データ上では『コロニーズ』入りの4-5人戦の成績が異常に良く、逆に『コロニーズ』抜きの4人戦だと平均以下だったり、5人戦のエリシウムボードでは5割近くの勝率を叩き出しているかと思いきや、基本ボードだと8%しかなかったりと正直よく分かりません。

概ねどの環境でも強企業だと見ます。ただ、何が強いかは微妙に変わっていて、基本セットでは木星ボーナスを取れるかどうかが勝利の鍵でしたが、コミコミだと木星タグカードの比率が若干上がったため、他のプレイヤーが木星タグカードを使うことによりMC産出が勝手に上がるのが強みとなってきています。

称号・褒章

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コミコミだと木星タグは20枚、ワイルドタグ2枚含めても全体の7%しかないため、そのうちの1枚を持ってるというだけでも【外縁入植者 / RIM SETTLER】取得には大分有利です。【外縁入植者】が取得される分、ヘラスボードの他の称号が軒並み下がってますが、それと【耕作王】以外は概ね称号・褒章に関してはほぼ平均的と言えそうです。

企業戦略

木星戦術 / 汎用

木星戦術と言っても「引いた木星タグは全部出す」だけですけども。元々木星タグカードは強力なカードが多いですし。科学タグ3条件のカードが3枚あるので、できれば条件はクリアしておきたいところ。それ以外は基本的に何でもできる企業です。

初手に嬉しいカード

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1ラウンド目にコロニー建設、2ラウンド目に《イオ採掘産業 / IO MINING INDUSTRIES》が理想的な流れ。そこまで望まないにしても、木星タグ付きのチタンかMC産出の上がるカードが欲しいところ。コミコミだとチタン産出は比較的上がりやすいため、ライバルが絞れるなら《小惑星採掘組合 / ASTEROID MINING CONSORTIUM》が初手のベストかもしれません。序盤に刺さると強烈に効きます。

 

【テラクター / TERACTOR】

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基準点:55

5人戦 0

3人戦 0

ヴィーナス 0

プレリュード 0

コロニーズ +5

基本ボード 0

ヘラスボード +5

 データ的には概ねこんな感じですが、個人的には基本セットでは中堅企業、『ヴィーナス』で上位を窺い『コロニーズ』では完全に強企業の仲間入りといった印象。

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拡張での地球タグ関連プロジェクトカードは20枚ありますが、半数は「序盤に出せれば強力」なMC産出カードです。特に《月の総督 / LUNA GOVERNOR》のようにハードルの高いカードを序盤に、しかもコストを下げて出せるのはかなりのアドバンテージです。その上、『コロニーズ』だと強力なコロニーがある場合には2箇所建設も余裕の資金力。基本的には汎用企業なので、以前のように「もう片方が微妙だから」と選択される場合もありますが、「地球タグカードがあるから」もしくは「地球タグカードだけ足りないから」という理由でも選択される企業になりました。

称号・褒章

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強いて挙げれば地球タグを参照してMC産出が上がるカードがいくつかあるので【銀行王 / Banker】に適正が無くもないですが、【専門家 / SPECIALIST】を取れるほど速攻性もありませんし、MC産出を増やすだけなら地球タグ以外で強力なカードがいくつか存在します。

企業戦略

特になし

むしろどの戦略も取りうるのがこの企業の強みです。MC産出さえ上げればこのゲームどんな戦略でも取れますから。

とは言え、理想はMC産出を上げてカードドローとコスト減少カードを組み合わせてのプロジェクトカード連打ですけども。

初手に嬉しいカード

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どの企業が使っても概ね強いですが、【テラクター】だと《地球カタパルト / EARTH CATAPULT》自体のコストも下がりますし、初手でキープできる枚数も多いのでより効果的になります。カードをプレイすればするほど得をするので、ぜひともMC産出カードとドロー強化カードも引き当てたいところ。

 

【タルシス共和国 / THARSIS REPUBLIC】

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基準点:50

5人戦 0

3人戦 0

ヴィーナス -5

プレリュード 0

コロニーズ -5

基本ボード +20

ヘラスボード 0

元祖・最強企業も今や昔。

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2人戦はともかく、3-5人戦ではほぼ期待値通りの中堅企業になってしまいました。

...ただ、それは拡張ボードを使った時の話。

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(共に2019.8.23時点)

3人戦だと【タルシス】より勝率の良い企業がいくつかあるものの、基本ボードでは相変わらず圧倒的な勝率を誇ります。その原因が【タルシス】に有利な称号・褒章が揃っているからなのは間違いないでしょう。基本ボード以外では多人数戦が若干不利なのにも関わらず、基本ボードでは逆に有利なのは、多人数戦の方が称号・褒章の比重が高まるからに他なりません。

このデータからでも【タルシス】の基本ボードにおける強さは確認できますが、『テラフォーミングマーズ 徹底解析』第9章 「標準マップにおけるTharsis Republicの闇」で、その強さについて詳しく分析されています。

個人的には9.6「おまけ、標準プロジェクトのみで何点出せるか」において、基本ボードで【タルシス】が標準プロジェクト(及び【開拓王】【提督】【緑化匠】)で何点叩き出せるかシミュレートした結果が割と驚愕で、10Rで53点(初期の20TR含めると73点)という結論になっています。基本マップ4人戦の平均得点が72点なのに、ですよ。理論上では地上戦用のカードが3~4枚あれば勝ち負けできる点数になります。(もちろん他のプレイヤーが指を咥えて見てるだけって事はないでしょうけども)

都市の重要度が下がる『ヴィーナス』入りでは多少不利になり、『コロニーズ』でも若干不利にはなっています。

称号・褒章

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基本セットでは【銀行王 / Banker】最有力企業でしたが、より適した企業がいくつか追加されたので、ほぼアドバンテージは消えました。

先に都市を無料で配置できる分、緑地を配置しやすいアドバンテージ自体は残ってますが、標準プロジェクトで緑地を配置する事が多かったため、都市の重要度が下がったことによってMC産出が増えにくくなったのは痛手。【総督】以外の称号・褒章は基本セットに比べてかなり取りにくくなっています。

一応【極地探検家 / POLER EXPLORER】【砂漠王 / Desert Settler】 を狙いやすい企業には入りますが、個人的には罠だと考えています。配置ボーナスで植物が得られる地域で戦った方が最終的な得点が伸びる確率は高いと思われます。

企業戦略

地上戦

都市の重要度が下がったこと自体は【タルシス】にとって痛手ですが、逆に盤面点を稼ぐこと自体は邪魔されにくいというメリットもあります。地上戦の褒章獲得は他プレイヤーを誘引するのでこのメリットを帳消しにしますが、都市建設が増えるとMC産出も増えます。獲得タイミングは意外と重要となるかもしれません。

初手に嬉しいカード

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何だかんだ言って一番相性が良いのはこのカード。MCにモノを言わせて盤面点を稼ぐ戦法とは相性が良いですし、都市カードを引いたものの電力産出カードが無い時や、GPのボーナスを踏みやすくなるのも融通が利いていい感じ。

コロニー建設も標準プロジェクトだというのを忘れがち。惑星【ガニメデ / GANYMEDE】がある時にも重宝します。

 

【トールゲート / THORGATE】

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基準点:45

5人戦 0

3人戦 0

ヴィーナス 0

プレリュード 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

例えばプレリュード抜き5人戦の勝率が27%だったりと特異点はありますが、あまり特徴のない企業らしく、どの環境でも概ね勝率が-5%な残念企業。電力産出の重要度が増した『コロニーズ』でもほぼ変化無しなのは意外でしたが、概ね電力産出+3をキープすれば済むと考えれば、この企業の強みを活かせる訳でもないのかもしれません。

例えばMC産出のように「産出がどれだけあっても困らない」のではなく、電力産出は「使う分以上生産しても、残りは発熱になるので効率は悪くなる」ため、【トールゲート】の企業効果がそれほど活きないという構造的な欠陥があります。さらに言うと電力を大量に消費するカードは《物理学総合研究所 / PHYSICS COMPLEX》を除いた4枚がソロプレイ向きなカードなため、ほぼ使われません。

メリットがほとんどない代わりにデメリットもない企業なため、「もう片方よりマシ」という理由で使われる事がほとんどなのも勝率を下げている一因でしょう。

称号・褒章

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【電送師】に最も適正があるのは明らかですが、その後に都市やコロニーなどの消費先を確保したいところ。【電送師】を取れたなら《鉱石処理場 / ORE PROCESSOR》などの電力消費カードも有用でしょう。

電力が発熱に変わる時点でレート的には損をしてますが、【温熱王】の取得率は【ヘリオン】をも上回ります。

逆に【滞空卿】は【エコライン】に次ぐ低取得率で、【金星王】は全企業中最低の取得率となっています。

初手に嬉しいカード

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電力産出カードがあるに越したことはありませんが、標準テクノロジー発電所の建設 / Power plant》で電力産出を上げられるため、電力消費カードの方はいくらあっても困りません。《燃料工場 / FUEL FACTORY》や都市カード、《商業特区 / COMMERCIAL DISTRICT》など、MC産出が増えるならベター。VPマイナスなのであまり使われませんが、《ハッカー / HACKERS》《企業の拠点 / CORPORATE STRONGHOLD》はレート通りのコストなので、電力産出が必要となる分【トールゲート】にとっては割安です。2枚コンボで良いのなら、《電磁カタパルト / ELECTRO CATAPULT》と建材産出カードという事になるでしょう。他の企業では電力産出-2が重い《露天鉱床 / STRIP MINE》もあまり苦にしません。(MCを確保出来ればの話ですが)

スレでは《標準プロジェクト》で電力産出を5MC上げて気温上昇に使えるのがcrazy、みたいな事を書いてる人がいますが、7回使ってようやく1ラウンド遅い《ソレッタ》になる程度ですから微妙だと個人的には思います。ただ、一度出してしまうとフツーの電力産出カードは要らなくなる (科学タグ条件の電力カードは別にして) のは利点ですし、ソロプレイだと初手に《標準プロジェクト》1枚でクリア可能なくらい、抜群に相性は良いです。

 

【国連火星動議 / UNITED NATIONS MARS INITIATIVE】

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基準点:45

5人戦 0

3人戦 -5

ヴィーナス 0

プレリュード 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード +5

データ上は一応こんな感じですが、基本セットの企業の中で最も採用率が低い (【タルシス】の半分) こともあって、信頼性がイマイチ。特に基本ボード5人戦が15戦0勝、ヘラスボード5人戦が8戦3勝って辺りが特異点です。

企業効果を使える回数が増える長期戦の方が一見有利にみえますが実際は逆で、理論上は長期戦で弱く短期決戦向けの企業です。

3人戦の平均ラウンド数が10、4人を9、5人を8ラウンドとし (実際のデータに割と近い数字です) 、毎ラウンド企業効果を使ったと仮定します。3人戦の平均VPが89、4人戦が73、5人戦が64。初期TRが20なのを考慮すると、【UNMI】の企業効果で得られるVPは

3人戦 10/(89-20) = 12.7%

4人戦 9/(73-20) = 17.0%

5人戦 8/(64-20) = 18.2%

このような割合になります。「TRが上昇するんだから、実質MC産出も増えるじゃないか」という見方もできますが、企業効果を起動する際に3MC消費するため、実際に増えるMCは

3人戦 (9+8+7+6+5+4+3+2+1)-3*10 = 15

4人戦 (8+7+6+5+4+3+2+1)-3*9 = 9

5人戦(7+6+5+4+3+2+1)-3*8 = 5

これだけしかありません。レート上は5MC=1VPなので、これも考慮すれば

3人戦 10+3/(89-20) = 18.8%

4人戦 9+1.8/(73-20) = 20.3%

5人戦 8+1/(64-20) = 20.4%

となります。実際には終盤で5MCを1VPに変換できることは稀なので、短期決戦の方が有利なのは間違ってなさそうです。少なくとも5人戦なら平均レベル、3人戦なら底辺レベルの強さではありますが、使用率を考慮すればさらに弱いと見ていいでしょう。

ヘラスボードでの成績が良いのは謎です。

称号・褒章

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【造星者】 に最も適正があるのは間違いないですし、【支援王】 は圧倒的とまでは言えないものの確実にアドバンテージはあります。意外と【耕作王】 が多いのも謎ですが、緑地配置+企業効果を狙う場合が多いからなんでしょうか。

企業戦略

GP上昇

短期決戦向きのため《不活性ガスの解放 / RELEASE OF INERT GASES》のような純粋なTR上昇よりも、金星評価以外のGP上昇を目指したいところ。特に気温は最後まで残ることが多く、気温を上げると優秀な植物産出カードが早く出せるため、連れて酸素濃度も上がりやすくなり、短期決戦になり易くなります。

とは言え、例えば3人戦で1人だけせっせとGPを上昇させても他の2人が協力しなければ結局長期戦になるため、拡大再生産重視の方がまだマシな場合もあります。

初手に嬉しいカード

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例えば《核実験場 / NUCLEAR ZONE》《洪水 / FLOODING》《深井戸暖房 / DEEP WELL HEATING》といったコストが安くてGPを上昇させるカードと最も相性が良いのですが、そういったカードを引き続けるのは難しく、拡張が増えるとさらに確率が下がります。個人的に《標準テクノロジー》がそこまで強カードだとは思ってませんが、汎用性が高く、1枚で何とかできるという点では優れています。

もちろん《極寒菌 / EXTREME-COLD FUNGUS》と《温室効果ガス生成バクテリア / GHG PRODUCING BACTERIA》などのコンボがあれば理想ですが、《帯水層くみ上げ / AQUIFER PUMPING》は案外仕事してくれません。

GP上昇カードを毎ラウンド出し続けるのは難しいので、優先順位が下がるとは言えTR上昇カードにも頼ることになるでしょう。

 

おまけ

【初心者用の企業 / BIGINNER CORPORATION】

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基準点:不明

5人戦 +5

3人戦 -5

ヴィーナス 0

プレリュード 0

コロニーズ 0

基本ボード 0

ヘラスボード 0

基準点が不明で申し訳ないですが、実際やった事ないんでねぇ...

初手でキープしたいカードは5枚前後だと見積もると、20MC相当の利益 (5枚キープ代 + 5枚売却益) があり、意外と悪くないです。ただ、ボードゲーム初心者がプレイすると初手10枚のプロジェクトカードが選択肢として残り続けることになるため、ダウンタイムが長くなり、ゲームのテンポを損ねかねません。

初プレイのヘビーゲーマーが色んなカードや効果を試すためだけなら、ベストな選択でしょう。勝てるかどうかはともかく、少なくとも決して弱い企業ではありません...初手が悪くなければの話ですが。

称号・褒章

◯【創案主 / PLANNER】

【初心者用の企業】は他の企業と混ぜずに使用される事が多いため、データは取っていません。

以前【創案主】の項目でも書きましたが、基本的に手札は使ってナンボ。全企業中最も適正があるとは言え、使わないカードをキープしてまでこの称号を取るのは考えものです。

例えば惑星【プルート / PLUTO】で序盤からドローできる、プレリュードで手札が増えているなら一考に値します。理論上はプレリュードの《研究ネットワーク / RESEARCH NETWORK》《バイオラボ / BIOLAB》を共に出せば条件をクリアできます。

企業戦略

早期決着

効果がスタート時のみ影響を与えるので、長期戦はおそらく不利。グローバルパラメーター(GP)重視が良さそうです。

初手に嬉しいカード

特になし

というかプロジェクトカードを色々試すための企業なんですから、色々試してみましょうよ。