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機上の九龍

kowloon on aeroplane

空論 グラスロード (3) 加工建物

GlassRoad analysis

1) 加工建物の特徴

Uwe: “The Processing buildings are the most important buildings in the early game.If you concentrate on the first Processing buildings you get and make good use of them, you are very likely to win the game.”

ウヴェ:加工建物はゲーム序盤で最も重要な建物です。最初に獲得した加工建物に集中してうまく利用した場合、あなたは十中八九ゲームに勝利するでしょう。

"Glass Road " Game Instructions p16

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加工建物は特に序盤に建てると効果を発揮する建物です。ボーナス建物は最後の得点計算まで「何もしない」建物ですが、加工建物だと例えば【窯】はいつでも木炭1を粘土2へと変換してくれます (ただし、即時建物の変換最中、ガラスやレンガの生成最中を除く) 。【窯】ならついでに3点も付いてきます。コストにレンガ2を使っているので実質的に増える点数は1点ですけども。

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仮に【粘土運び人】をバッティングされずに出した (ダブルアクション) とすると、水1を粘土4に変換できます。また、手札4枚の【燃料収集人】がバッティングした場合 (シングルアクション) には水1を最大木炭4に変換できますが、この時場に【窯】があればさらに木炭4をいつでも粘土8に変換できることになり、シングルアクションであるにも関わらず、【粘土運び人】の倍の効率になります。

つまり、加工建物があれば資源を容易に増やすことが可能になるのです。また、【粘土運び人】2回使う手間を【燃料収集人】1回で済ませられるとも言えるので、手番の節約になるという見方もできます。しかも原料となる資源があれば何度でも、一部例外を除いていつでも変換可能です。

このようにメリットが多い加工建物ですが、変換すればするほどメリットがあるということは、逆に変換しなければメリットが薄いという欠点にもなります。加工建物が手番の節約になると書きましたが、実際には建設で1手番と建設コストを使っているので、それ以上の手番節約や資源増加をしないと建て損になります。

そのため、概ね序盤で建てた方がよりメリットを享受でき、後半に建てるとメリットが薄いと言えます。もちろん十分な資源を確保できるのなら話は別ですし、増やした資源が得点に結びつかなければ意味がありません。

最後の1点行動として加工建物を建てざるを得ない場合もままあります。

 

2) 加工建物の分布

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加工建物のコスト/効果はこのようになってますが、これを分類したのが次の画像。 

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建物のうち、ペールブルーで着色しているのは加工物が1つできるもの、ローズが4つ、着色していないものは2つできるものを指します。【粘土置き場】のみ加工物が3つでき、【Roofing Company】は第二版及び日本語版では収録されていません。

加工建物は主に「基礎資源変換」「地形関連」「その他」へと分類できます。ここでは便宜上「基礎資源を変換するもの」を「1:2変換」「2:3 , 2:4変換」に、「地形関連」を「コスト:森」「コスト:森以外の地形」へと細分化します。

 

3) 加工建物 / 基礎資源1:2変換

30ある加工建物のうち、43%の13建物がこれに該当します。1:2変換を分析するにあたってまず最初に見えてくるのは、木→木炭→水→食料/粘土→珪砂という加工の流れがあり、逆はないという事です。加工の原料になる事が多く建設コストにもなる木は大量に必要となりやすく、建設コストにもなるものの、加工物にもなる粘土は比較的加工で賄いやすい点に留意すべきでしょう。林を増やす戦術では【森林管理人】で木を大量生産し易く、加工建物との相性が比較的良いのがメリットとなります。

また、最後の得点計算に絡む珪砂を生み出す加工建物が4つもあり、最後の3点前後を稼ぎだすことも比較的容易です。これは逆に池や採掘坑を増やす戦術のメリットが若干薄まる要素でもあります。

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加工建物で一番シナジー (相乗効果) を発揮するのは、加工物と資源参照建物とを一致させた場合です。例えば木炭から粘土へと加工する【窯】と、粘土を参照するボーナス建物の【陶芸家の家】【窯元】。【窯元】で7点取るために粘土7を貯めこむのは中々難しいですが、【窯】があれば木炭3を加工して6点は取れます。逆に原料と資源参照建物が一致するとディスシナジー (相殺効果) を発生させがちなので注意が必要です。

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また、加工物を別の加工原料と一致 (チェーン) させることでもシナジーを発揮します。例えば【窯】があれば木炭1を粘土2に加工できますが、【湯治場】【粘土坑】でチェーンすると木炭1を水2へ、さらには水2を粘土4に加工でき、さらなる効率アップに繋がります。特に1つ下流の基礎資源へと変換する建物はチェーンし易くなります。

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逆に加工原料や加工物が同じ建物、例えば【木彫り工房】【無料食堂】だと食料に変換する時に片方は使わないので、その分効率が落ちます。【桶屋】【木彫り工房】だと加工物が被るよりはマシですが、両方の原料となる木を確保するのが大変になります。また、木→粘土へと一足飛びに加工する【金物屋】のような建物はチェーンできる確率が下がります。

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何にせよ、変換建物はシナジーを発生させると莫大な効果をもたらしますが、変換しなければ置物です。加工建物全般に言えることですが、どの資源が必要かを見極めて初めて有効活用できると言えるでしょう。

 

4) 加工建物 / 基礎資源2:3,2:4変換

 【灰汁製造所】【寄宿舎】【粘土置き場】の3つがこれに該当します。特徴は加工に基礎資源が2種類必要で、そのうちの1つが水です。

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実際使ってみると分かりますが、意外と使いにくい建物です。加工に基礎資源が2つ必要なので、どちらかの資源がボトルネックになりがちです。例えば【粘土置き場】を起動するために水と食料を増やすとなると、2手掛かります。水を増やして【粘土運び人】でも同じ2手なので、手数の節約に繋がりません。必要資源の片方を簡単に増やせ、もう片方の資源を増やすだけで加工できるという条件下でないと使いにくいでしょう。強いてメリットを挙げれば使いにくい分、取られにくい建物ではあります。

【灰汁製造所】は密かに水→木炭の部分が逆順加工になるので、木炭→水と加工する【湯治場】とは相性は良いです。木さえ供給出来れば水→木炭→水と循環しながら増えていきます。まぁ【燃料運び人】が似たような働きをするのですけども...

【粘土置き場】は変換効率自体は悪いものの、ノーコストなので仕方なく取る場合もあるでしょうし、加工回数が少なくても資源量で損することが無いのは利点です。食料は意外と大量に取れる機会はあるので、見た目よりは使えます。

 

5) 加工建物 / コスト:森

【入植用住居】【製材所】【指物屋】の3つがこれに該当します。最大のウリは手番を消費せずに森を焼き払えることです。地形を並べるなどして盤面を広く使いたい場合には、どうしても森を焼き払う必要があり、通常は専門家の【木こり】【焼き畑農家】【大工】を使わなければなりません。それを【入植用住居】【製材所】は森だけをコストに、【指物屋】は追加で木1が必要ですが、建設する1手番で残りの森を焼き払う手番を節約することができます。その分【耕作者】などの地形を増やす専門家を使う回数を増やせますし、【黄土の台地】のような地形を増やす即時建物をより早い段階でより効果的に建てることも可能です。ひいては【坑内労働者】のような地形を参照する専門家の効果がupし易くなります。

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特に【入植用住居】は木炭1しか取れないのが微妙なものの、建設コストが木1粘土1と初期資源でも建てられる低コストがウリ。個人的には「スタート時に見たら取れ。」

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【製材所】は序盤だと建設コストが重いものの、森を焼き払いつつ最重要資源の木を2つ生産するのは相当強いです。個人的にはこれもやはり「スタート時に見たら取れ」なレベル。

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【指物屋】は上記2つよりは若干落ちますが、変換効率自体は悪くないので一応使えます。余りがちな食料をいかに有効活用出来るかが鍵で、食料だけが原料となる唯一の加工建物【砂製造所】は良い相棒となりますし、食料を参照するボーナス建物も相性が良いでしょう。

もちろんこれらの森をコストにする建物は、森を参照する【狩猟小屋】【森林官事務所】とはディスシナジーですし、地形を並べなければそこまで強くないのかもしれませんが、まずは1度使ってみることを薦めます。森4つあれば十分効果は出せますし。

 

6) 加工建物 / コスト:森以外の地形

23%の7つの建物が該当します。森とは違って林/池/採掘坑は自由に取り除けるので、森をコストにする建物よりは重要度は下がります。増やした地形をコストに充てられる点はメリットです。

林/採掘坑は共に木と粘土へと加工し、林は木に、採掘坑は粘土に加工した時にオマケが付きます。池は粘土へと加工できない代わりに木、木炭、食料と建物が3種類あり、食料に加工した時にオマケが付きます。池の方が該当する建物が多いという点では池戦術にメリットがあるとも言えますが、粘土へと加工できないという点ではデメリットです。

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最もシンプルな使い方は、初期地形をコストに充てるだけに留める事でしょう。オマケが付く【農場】【工務店】以外はコストが安いので地形を2つ使うだけでも十分元は取れます。逆に言うとオマケが付くのに粘土2とコストが安い【養樹園】はかなり強いです。

基本的には地形戦術とはディスシナジーです。特に【農場】と【水門】など、連続ボーナス建物とは相性最悪です。もちろん得点に絡まない地形だけを取り除けば共存も可能ですが、他にやる事がありそうです。ただし、【水門】を建てようとして池を増やしたものの、先に取られたといった場合には【農場】が保険となるでしょうし、【貯水塔】などの地形を増やす即時建物との相性は良いです。

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地形が増えれば増えるほど加工可能回数は増えますが、例えば【養樹園】を建てた時に【森林管理人】を使うような場合には注意が必要です。先に【養樹園】を使った後に【森林管理人】の下のアクションを使っても効果が目減りします。きちんとシナジーを発揮させるためには、もう【森林管理人】を出さないような状況になってから【養樹園】を使うことです。この使い方だと、むしろ3~4R目に使った方が効果的という、加工建物としては例外的な特徴になります。当然ながら増やした資源をチェーンすればより大きな効果をもたらすので、最もチェーンし易い木に加工する【養樹園】【葦のあばら屋】【森林官のあばら屋】は回ると強いです。

 

7) 加工建物 / その他

珪砂をレンガに加工する【砥石製造所】と、領主建物をコストに充てる【屋根板製造所】【事務所】【地区事務所】の4つが該当します。

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【砥石製造所】は珪砂3をレンガ1へと、基礎資源量でみると増減しない上に変換すれば1.5点から1点へと目減りするという、単独で使えば微妙な建物。そもそもレンガが必要な状況で建設コストのレンガ2を払えるのか?と考えても微妙ですが、4点固定の建物の中では基礎資源8とコストが最小なので、単純な得点目当てで取る場合が多いかもしれません。もちろんレンガの3種類の資源を集める手間を珪砂1つで済ませられるので、池/採掘坑 を増やす戦術や珪砂を加工できてチェーンになる場合には、建設コスト以上のレンガを作れるでしょう。使用したレンガごとに1点入る【硬質レンガ工場】とは相性が良いです。

ちなみに【Roofing Company】が第2版や日本語版に存在しないのは恐らくこの【砥石製造所】が原因の一つで、【Roofing Company】【砥石製造所】に加え、珪砂に加工する建物、例えば水を珪砂に加工する【砂採取場】が揃えば、水2→珪砂4→珪砂1レンガ1→水2珪砂1→珪砂5→...といった具合に資源が無限ループで増えていきます。

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【屋根板製造所】は【領主】で引いた建物2つを原材料にレンガ1を加工すると聞いても強さがピンと来ないかもしれませんが、【領主】の上のアクションがレンガ1.5個分、基礎資源に置き換えれば4.5個分に変換すると考えればその強さが実感できるはず。レンガ1つ作るのに2~3アクションが必要な場合には特に有効です。

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【事務所】は変換効率こそ些細ですが小回りの良さがウリで、コストが足りずに建設や専門家を雇えないといった事故を回避できる可能性が高まりますし、珪砂と水が1つずつ欲しいけど手数は掛けたくないといった場合にも効果的。どの資源変換建物があってもチェーン可能な点も融通性があります。

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【地区事務所】は能力を起動しなくても木1ガラス1の基礎資源6で3点入るのは、似たようなコストでかつ木のストックが6-7あってようやく3点入る【木彫師の家】と比べればどれだけ得点効率が良いか分かります。能力自体はどの地形戦術にも対応できる所がウリです。

 

6) まとめ

加工建物は基本的に変換すればするほど資源が増える建物ですが、例えば食料や木炭を14溜め込んだとしても、得点と結びつかなければ意味がありません。「『グラスロード』は何したらいいか分からない」という人は、まずは1:2変換の加工建物、特に粘土に加工するものを建設することを薦めます。加工建物をどの資源が何のために必要かをきちんと考えれて建てれば、拡大再生産の道が広がることでしょう。